『ポーの一族』大ファンのライターが40年ぶりの新作前に魅力をどどっと紹介

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『ポーの一族』の大ファンであり、ハンドルネームにライターネームと「エドガー」を名乗り続けて……年。ようやく私のターンが来たようです!
なんと、萩尾望都『ポーの一族』の新作が40年ぶりに5月28日発売『月刊flowers』2016年7月号に掲載されるのです!

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現在、Amazonではこの号は「現在お取り扱いできません」が表示されています。つい先日には確かに予約受け付け中なのを確認していたので、どうやら発売前にもかかわらずAmazon分は在庫切れになっているようす……。
また、コミックスも当時の装丁で復刻されています。箱入り限定版には特別付録もついての登場です。この箱入り版も早々に売り切れ、追加で2刷が出ましたがこれも短時間で完売しておりました。

■そもそも『ポーの一族』って?

知らない方のために『ポーの一族』について解説しますと、吸血鬼である「ポー」になってしまったエドガーを主人公にしたお話です。ポーの一族に加わるには成年していなければならないのですが、エドガーは14歳にしてポーの一族に加えられてしまいます。これが1754年。ここからエドガーは吸血鬼として14歳の姿のまま生きていくのです。
やがて妹メリーベルを一族へ加えますがその後メリーベル「消滅」、そしてアランを加えて、物語は展開します。

この作品は時代考証が非常にしっかりしており、ランプと蝋燭と馬車の時代から二度の戦争(戦中のエドガーのシーンはありません)を経て現代に近いところまでが描かれます。舞台も多彩で、ポーの一族だけが住んでいる村、さらにエドガーの「養父」であるポーツネル男爵を中心とした貴族世界、さらにはドイツの寄宿学校(ギムナジウム)、現代(但し40年前)のロンドンと、時代の移り変わりによる背景などもしっかり描き込まれています。

復刻コミックス版は当時と同じ5巻。約200年が5巻に収まっているわけで、非常に中身の濃い作品です。また「グレンスミスの呪い」という言葉があります。「グレンスミスの日記」という作品がシリーズの中にあります。今市子が「ずっと70ページくらいの作品かと思っていたが24ページしかなかった」と紹介しています。この作品はエドガーもアランもほんの少ししか登場しない番外編的な作品なのですが、24ページで三世代の女性の人生を描き切っているあたり、実際のページ数よりも長いのでは、と思わせてしまう所以なのでしょう。

作品の紹介はこれくらいにします。未読の方はぜひ復刻版コミックスでご確認ください。

さてポーの一族シリーズを読んだ時は衝撃的でした。多くの人が感じているであろう衝撃ですけれども。
一連のシリーズを読むと、イギリスのどこかにポーの村があって今日もバラを育てて暮らしており、またポーの一族のだれかが街中にひっそりと暮らしているのでは?という幻想に浸ります。
ポーの一族はドラキュラのように噛み付いたりすることなく、手や唇を触れるだけで「血(エネジィ)」を吸い取ることができ、また普段はバラの香りのお茶やバラのスープを飲んでいるだけ、という設定がまたよかったです。

バラの紅茶(ローズヒップではありませんですのよぉ)を飲んでみたり、バラの香料を手に入れたりとポーの一族の真似事はずいぶんしました。また時代によって変わるエドガーの服装も注目で、マントが好きだったりチェックのスーツを着たりというのは作品からの影響が大いにあります(まだシルクハットには手を出していない)。
ポーの一族は、少女コミックからフラワーコミックスで初めて単行本として出版された少女マンガとしても知られており、単行本初版3万部は発売から3日で完売したと言われています。この時読者プレゼントでブックカバーがありました。実物を拝見させていただく機会がありましたが、ホントにお宝でした。
そしてエドガー。作中、ジョン・オービンという人物がエドガーを「魔物」と表現し、エドガーの持つミステリアスな魅力に取り憑かれてしまいます。彼は集めた仲間とともにエドガーを「狩る」ことを計画し、一生をかけてエドガーの足跡をたどります。このジョン・オービンの姿は、ポーの一族、そしてエドガーのファンの心理を形にしたようなものがあります。
萩尾望都の40週年記念原画展では、版画による複製原画が販売されました。その中心を占めていたのもやはりエドガーで、中でも「ランプトン」と呼ばれる赤い服を着たエドガーは別格の扱いで、額装も他と異なり、価格も高め設定でした。そもそも安くない複製版画を全部お買い上げになったマダムもいらしたそうで、エドガーへの不変の人気が伺えます。

さて、もう少しで新作発表です。40年ぶりのポーの一族、楽しみでなりません。

※単行本の説明の箇所が言葉足らずのため誤解をうける表現となっておりました。「少女コミックからフラワーコミックスで」という一文を追記いたします。

(文:エドガー)