バレーボール全日本男子が23日、味の素ナショナルトレーニングセンターで記者会見と公開練習を行なった。南部正司監督がまず挨拶した。

「私が代表監督としてスタートして、2年経ちました。各大会で成績は収めたものの、最大目標は世界最終予選(OQT)で切符を獲ること。対戦国は強豪国ばかりですが、しっかりと準備をして大会に臨んでいきたい。最近、アメリカ、フランスと練習ゲームをやりました。格上の相手とやるときにマイナスの意識が出てしまう。そういった部分さえ出なければ、強豪国とも戦える力が身についています。自分の力を信じて、コートに立ちなさいと選手には言っています」

 28日に開幕するOQTでは14名の選手が登録されるが、この日登壇したのは15名。

「女子は18人、男子は15人。登録から外れるのがあと一人だけという過酷な状況。そうやって競争を煽りたいのか、コンディションをぎりぎりまで見極めたい選手がいるのか」という質問に、「練習をやっていくうえで、いろいろなタイプを見たかった。最終的にウイングスパイカーを5人にしてミドルを3人という昨年のワールドカップの編成でいくのか、ウイングを4、ミドルを4にするのか、あと一回フランスと練習ゲームがあるので、一番よい編成にしたいのでここまでひっぱりました」という南部監督の回答があった。

 ポイントとなるのは「すべて強豪国なので、全試合」という南部監督は、その中でも初戦のベネズエラ戦と第2戦の中国戦、2試合は白星スタートでいきたいと考えていることを明かした。また、白星先行を前提としたうえで、第3戦ポーランドという強豪国との対戦も、ひとつキーになる試合となる。

 選手たちのコンディションは大きなケガもなく良好で、キーマンを問われると、攻守の要、石川祐希とポイントゲッターの清水邦弘の名前が挙がった。この2人をうまく活かせるような展開に持ち込むために、最終調整をしているようだ。また、ワールドカップからの改善点として、レセプション(サーブレシーブ)が乱れたときにもミドルブロッカーの攻撃を使う機会を増やしている。ブロックについても、それほど速くない相手に対してはリードブロック(トスを見て対応するブロック)を遂行できるようになった。

 スターティングメンバーについて、清水、石川とセッター深津英臣のスタメンはワールドカップと変わらず、控えセッターの関田誠大(まさひろ)についても流れを変えるために投入することも考えている。

 気になる石川の対角だが、昨年ワールドカップでサーブランキング5位につけたビッグサーバーの柳田将洋をそのまま使うか、ブラジルで武者修行してきたパナソニック時代からの愛弟子・福澤達哉でいくか、南部監督は最後まで頭を悩ませているようだ。

「(福澤は)状況が悪ければ後から入れたい。状況がよくてもさらに勢いをつけるために使うかもしれないし、ケースによればスタートという可能性もある。ただ、ワールドカップで成功したサーブが強いメンバー、石川、柳田で初戦突破口を開きたい」

 熾烈なウイングスパイカー陣のスタメン争いについて、当の柳田自身に聞いたが、彼はマイペースを崩さなかった。

「今は自分のサーブが武器ということは、特には思わないようにしています。ここの時期になったらやれることをやるしかない。強みも弱みもなく、コンディションをよくして、自分のプレーを集中してやれば、たとえどんな結果になったとしても納得できると思います」

 オリンピックについて「自分のこと」として捉えられるようになったのは、まだ昨年のこと。それまでは、「テレビで見るもの」という意識で、自分とは関係ないものだと思ってきた。「だけど、今はこうしてチャンスをいただけたのですから、絶対にリオに行きたい」と断言する。

「OQTはプレッシャーがかかる大会だと言いますが、僕自身はどんな試合でも、いつもほどよいプレッシャーを感じてプレーしているので、今回も同じように臨めればと思います。

 女子のOQTは観戦して、非常にモチベーションアップにつながりました。イタリア戦でしのぎを削り合いながら切符を獲得したり、その前のタイ戦でも、最後まであきらめない姿勢を見て、心にくるものがありました。見ている僕らは『これはかなりきついな』と思っていたのですが、戦っていた選手たちは誰もそう思ってなかったことが、ああいう結果につながったと思う。それはすごく参考になりました」

 OQT男子大会は今週末28日(土)、東京体育館で開幕する。

中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari