イケアの考える、野菜も育てる「あたらしいキッチン」

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イケアは、室内で簡単に野菜を育てられるLEDライト付き水耕栽培キットを発売する。このような製品はこれまで日本と中国にはあったが、スウェーデンでも米国でも売られていなかったという。

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イケアは2015年、世界8都市の8,500人を対象に、キッチンでの習慣について理解を深めるための調査を行った。

その結果は、年次報告書「Life at Home Report」第2号のなかで公開されている。そのなかに、調査参加者の60パーセントが野菜や花などの植物を室内で育てているという興味深い結果があった。こうした園芸が特に行われていたのは上海で、その割合は75パーセントだった。

イケアのシニア製品開発者であるロニー・ルネッソンが、室内ガーデニングキットという新しい製品ラインを思いついた場所も上海だ。

ルネッソン氏は、上海で他の製品サプライヤーを訪問したときに、職員たちがレタスやハーブを育てている小さな室内器具を目にした。ルネッソン氏が市場調査をしたところ、このような製品は日本と中国にはあったが、スウェーデンでも米国でも売られていなかった。

このコンセプトをもとに、イケアの小さな水耕ガーデニングキット「Krydda/Vxer」が誕生した。

Krydda/Vxerは、フレームと太陽の代わりのLEDライト、2つのトレイからなる。1つ目のトレイには、ストーンウール(断熱材)に近い素材のブラグ(小さな栓型の苗床)を、2つ目のトレイには、水を保持する小さな軽石を使う。ストーンウール素材のブラグに種をまき、やがて芽が出たらそのプラグを、軽石と一緒に新しい容器に植え替える。小さな灌漑システムで満遍なく、栄養と水を行き渡らせる。

7カ月すると、ハーブやレタス、チンゲンサイ、チャードなどが育ち、直接摘んで皿に取ることができる。

ルネッソン氏のチームは、世界どこででも通用するキットにするため、スウェーデン農業科学大学の科学者に相談した。そしてできたのが、12種類の種と、種に合った液体肥料がセットになったスターターパックだ。どんな気候、キッチンのサイズ、日当たりでも育つようにLED照明も必要だった。

イケアは2015年、IDEOと提携して、2025年のコンセプトキッチンを作成した。拡張現実で料理を補助してくれる小さなテーブルや、インダクティヴ(誘電)方式の冷却容器、ゴミから栄養分を抽出して屋内の植物に与えるシステムなどがあった。Krydda/Vxerキットはそこまでハイテクではないが、サステナブルな都会生活へのひとつのステップと言えるだろう。

INFORMATION

『WIRED』VOL.17「NEW FOOD なにを、なぜ、どう、食べる?」

太古から近未来、深海から宇宙までをめぐる食の旅は、北の果て、スヴァールバル世界種子貯蔵庫からスタート。ニューヨークを拠点に「食」をデザインする建築家・重松象平が描く「食の未来図」に、サンフランシスコ発の完全栄養代替食「ソイレント」の夢。日本からもドミニク チェン、米田肇、池田純一が、それぞれの視点で「これからの食」を語る。