家族が万引きで逮捕!

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ニュース番組や万引きGメンなどの特番で、よく目にする老人や主婦の万引き。大量の草餅や刺身など、「なぜこんなものを?」といぶかしく思うこともあるが、実はこの万引きの影に、「前頭側頭型認知症」という病が隠されていることも! そこで「性障害専門医療センター SOMEC」代表の福井裕輝氏を取材。前頭側頭型認知症と万引きの関係性について聞いた!

●不合理性のある万引きは要注意!

「常習的な万引きと聞いて、まず挙がるのが“クレプトマニア(盗癖症)”という精神疾患。この病は発症が早く、10代から表れます。摂食障害や解離性障害、依存系障害などを合併しながら盗みを続けてしまうのが1つのパターン。これは、小さい頃のトラウマを抱えて発症する精神疾患なので、“前頭側頭型認知症”とはまるで違う病気です。“前頭側頭型〜”は、その名の通り、前頭葉や側頭葉の前方が萎縮することによって“脱抑制”が表れ、衝動的になってしまう脳の病気。少しのことでカッとするようになり、善悪を瞬時に判断することができなくなってしまうので、人によって様々な犯行に出てしまうのです」(福井氏 以下同)

通常の万引きと違うのは、そこに合理性があるかどうか。

「単純に窃盗が目的である場合は、例えば“大量に盗んでそのもの自体を売る”とか、そこには合理性が見受けられますよね。ところが、“前頭側頭型〜”によって万引きに至る場合は、盗んだものをそのまま放置して腐らせる、食べきれないほどの草餅を盗む、いらない歯ブラシを20本盗むなど、そこに必ず不合理性がある。ある意味、大胆不敵な万引きでもあり、そのケースを見ただけで、これは明らかに病気の兆候があると見て取れます。症状が顕著であるにも関わらず、この病気はいまだに、あまり世間に認知されていない。これからもっと研究するべきであると私は考えます」

今のところ、予防法や原因などはまったく解明されていないという「前頭側頭型認知症」。妻または夫が、このような症例があることを知っているだけで、将来的に助かることがあるのかもしれない。

(取材・文/蓮池由美子)