中国メディア・人民日報海外版は23日、日本政府が中国やロシアを対象にビザ発給条件の緩和措置を検討していることについて、その目的や背景、意味について解説する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・人民日報海外版は23日、日本政府が中国やロシアを対象にビザ発給条件の緩和措置を検討していることについて、その目的や背景、意味について解説する記事を掲載した。

 記事は、日本政府が先日観光立国推進閣僚会議を実施し、中国・ロシア・インドのビザ発給条件緩和に関連した作業の実施を正式に確認し、緩和措置は年末にも実現する可能性であると紹介。現在発表されている緩和基準によると、対象となるのは商業・科学・文化などの分野で一定の成果のある人、および中国の教育部直属大学の学生であると説明した。

 そのうえで、中国社会科学院日本研究所の張勇氏が今回検討されている措置について「人材の呪縛を解くための主体的な措置」と解説したと伝えた。張氏は、戦後の壊滅状態脱却、経済的な繁栄を十分かつ高い質の労働力で支えてきた日本が、少子化や高齢化により人材不足とう厳しい試練を迎えていると説明。ハイレベルな人材を中国から呼び込むことにより、人材不足を解消したいという切実な思惑があるとの見解を示した。記事はまた、日中間の若い学生どうしによる交流を深めることで日中関係の改善も促したいという狙いを指摘する声もあると紹介している。

 さらに、日本の現状や今回の措置が中国人にとって日本留学の好機になるかどうかについて、張氏が「日本への留学に一定の刺激を与えるだろう。日本社会や日本の教育機関への接触を通じて、国内の学生が日本留学する機会が増えることになる」としたことを紹介。その一方で、日本式の教育体系には育成目標やカリキュラム設置といった点に弱点を持っているという声があること、日本社会の外来者に対する規制が依然として根強いことを指摘、「有形無形の非国民待遇を打ち破り、寛容かつオープンな心で人材を呼び込めるかが、日本の政策決定者たちが最初に直面する試練」と論じたことを併せて伝えた。

 中国経済の成長などにより、それまで一部エリート層しかできなかった外国留学が今では随分と身近になった中国。留学者が増えるのは日中交流という点では喜ばしいことだが、学生の質が玉石混交となる問題点もある。もうずいぶん前だが、日本国内で開かれた中国人学生による日本語スピーチコンテストを観覧したところ、日本語学校の学生と思しき中国の若者一行が近くに座った。真剣に話を聞くのかと思いきや、多くが携帯ゲーム機に夢中になっていたのを見て複雑な気持ちになったことを覚えている。

 いかに質の高い人材や学生を呼び込み、自身のキャリアアップと同時に日本の社会や経済の成長に貢献してもらうか。そのためには、記事の指摘どおり受け入れる側である日本社会の心構えも整えて行かなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)