“しあわせになるヒント” が見つかる展覧会! 上野の森美術館『ブータン 〜しあわせに生きるためのヒント〜』で、ほっこりしよう

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“幸せの国” ブータン。2005年にブータンで行われた国勢調査では、国民の約97%が「私は幸せである」と答えたといいます。経済的には決して豊かではない国なのに、なぜそれほどまでに、人々の幸せ度が高いのでしょうか。

そんな疑問にヒントをくれる展覧会『ブータン 〜しあわせに生きるためのヒント〜』が、5月21日から上野の森美術館でスタート。記者(私)が公開に先駆けて、プレス内覧会で体験してきた内容を紹介します。

【ヒマラヤ山脈の南の国ブータン】


展覧会公式サイトによると、ブータンは、ヒマラヤ山脈の南にある王国。面積は九州ほどの広さがありますが、人口は約75万人。東京23区内で比較すると、大田区(約71万人)や練馬区(約72万人)とおよそ同じくらい。

チベット系大乗仏教を国教とし、多くの人々が信仰する、チベットとインドの間の自然豊かな農業国です。

またブータンでは、1970年代に国民総幸福量(GNH)を重視することを提唱。これは、国民総生産(GNP)など経済的な指標を中心にするよりも、国として幸せになることを目指すということ。無理な開発をせず、人々の暮らしの中にある伝統的な文化や自然環境を守りながら、ゆっくりと近代化するという考えを示しました。

【ブータンの生活と文化が楽しめる展示】

「ブータン展」では、そんなブータンの様子を垣間見ることができます。

会場に入ってすぐは伝統的な祭り「ツェチュ」のコーナー。壁いっぱいに、色鮮やかな仮面が展示されています。

この仮面は「ツェチュ」で行われる、チャムという踊りに使われるもの。チャムとは、一般の人が仏教の教えを正しく理解できるようにと、歴代の高僧が発展させてきた宗教的仮面舞踏です。お面の中には、仏教の普及を邪魔する者を威嚇する姿を表すものもあり、興味深い展示です。

続いては、女性の民族衣装である「キラ」や、男性の民族衣装「ゴ」、女性用ブローチ、器、生活用具などが展示されている、ブータン的生活様式のコーナー。

ブータンでは今でも公式の場では民族衣装が義務付けられているんですって。さまざまなキラが展示されており、刺繍のように見えるキラの模様は、すべて布に織り込まれているのだとか。手織りで作られた美しい模様に、うっとりしてしまいます。

その次のコーナーは仏教と信仰について。たくさんの仏像や仏画が展示されています。

ブータン人の信仰は篤く、1日のうち平均1時間半も祈るという調査もあるそう。荒々しい憤怒の形相で、仏の教えを拒む者をいさめながら、同時に人間の煩悩を示しているグル・ダクポ立像や、装飾が全くなくスレンダーな女尊像があり、ブータンの人々の精神性を垣間見ることができます。

最後はブータン王室についてのコーナー。「あなたが幸せを感じることは?」という質問に、「王様がいてくれてうれしい」とか「最近うれしかったのは、皇太子が生まれたこと」と答える国民がいるほど愛されているブータン王室。国外初公開の現国王と王妃の衣装や、歴代の王室の政策なども学べます。

ブータンに暮らす人々が感じている幸福感は、仏教と豊かな文化、国民から愛されている王室と密接な関わりがありそうです。

【ブータン展を楽しみ尽くすならコレもチェック!】

展示品もおもしろいのですが、それを彩る展示方法もとってもステキ。ブータン展を楽しみ尽くすための見どころポイントを6つ紹介します。

1.ブータンの美しさが伝わる、イラストレーターの松尾たいこさんの作品
会場のあちこちに展示されたブータンのイラストは、イラストレーターの松尾たいこさんの作品。

「ブータンは、国全体がアート作品のようだった」と語る松尾さんのポップなイラストは、ブータンの美しさを饒舌に伝えています。

2.鶴田真由さんと一緒にブータンを旅する気持ちになれる音声ガイド
また展覧会を楽しむためには、音声ガイドもおすすめ。これまで二度にわたってブータンへ訪れ、魅力を存分に知ったという鶴田真由さんが、ブータンの魅力あふれる伝統文化や、現地に伝わる格言や知恵を紹介。

音声ガイドを聞くことで、鶴田さんと一緒にブータンを旅するような気持ちになって展覧会が楽しめます。

3.ブータンの人々の考え方が伝わる言葉の数々
松尾さんのイラストやブータンの写真とともに、展示品の間に散りばめられている言葉。じっくり読むと、とっても深く、しあわせになるためのヒントがダイレクトに伝わってきます。特に、展覧会の最後にある言葉に出会った時「しあわせって、そういうことだよね」ということが、記者(私)の胸には不思議にストンと落ちてきました。

4.展示品の前の敷物もイラストレーター松尾さんの作品

それぞれの展示品の前の床には、民族衣装キラを模したポップでかわいい敷物が。これも実は松尾さんの作品。松尾さんはブータンでアンティークのキラを買ってベッドカバーにしたほど、キラを気に入ったんですって。ぐいぐい踏まずに、じっくりと楽しんでみてください。

5.ブータン人の暮らしや幸せを感じる瞬間を紹介した「ブータンしあわせシアター」
また展示の最後にある「ブータンしあわせシアター」では、ブータンの人々の暮らしや、何人ものブータン人に「あなたが幸せを感じる瞬間は?」とインタビューした様子が映像で紹介されています。

ブータンの人々の、そのシンプルな答えがステキ。幸せって、何も特別なことではなく、自分の身近なところにあるのだと気づかされました。

6.おみやげコーナーには、ブータンを経由して手紙が出せるサービスも
お土産コーナーでは、ブータンの手織りコットンストールや食材、展覧会のオリジナルグッズが購入できるほか、ブータンを経由して誰かに手紙を出せるサービスもあります。“しあわせの国”ブータンから出された手紙なら、なんだか幸せを運んでくれそうですね。

今回「ブータン展」のアートディレクターを務めたイラストレーターの松尾たいこさんは、ブータンを訪れた際にガイドさんから「幸せかどうかは、自分の心が決めること。自分が幸せなら周りの人も幸せにしたくなります」と教わったそう。その言葉に、記者も深くうなずきたくなる展覧会でした。

皆さんも「しあわせになるヒント」を探しに、「ブータン展」に足を運んでみませんか?

【展覧会 概要】
名称:ブータン〜しあわせに生きるためのヒント〜
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
アクセス:JR上野駅公園口より徒歩3分
会期:2016年5月21日(土)〜7月18日(月・祝)*会期中無休
開館時間:10:00 〜 17:00(入場は閉館の30分前まで)
入場料:一般 1400円、大学・高校生 1000円、小学・中学生 600円
*未就学児は無料
*障害者手帳をお持ちの方と介護の方1名は無料
公式サイト: ブータン 〜しあわせに生きるためのヒント〜

ブータン写真=Flickr(パロの寺院)、Flickr(子供達)、Flickr(お参りする人々)
取材・撮影(ブータン展)・執筆=FelixSayaka (c) Pouch

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