日本の街を走り始めて1周年を迎える日産自動車のNV200タクシー(写真はニューヨーク仕様)/モデル:榊原莉奈(キャンパスクイーン/白百合女子大学ミスコン2014グランプリ)

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日産自動車が開発したワゴンタイプのタクシー車両「NV200タクシー」を街で見かけるようになってから、まもなく1年が経つ。タクシーといえば後部座席の乗るものだが、運転をする機会を頂いたので、そのドライブフィールと共に、改めてNV200タクシーの魅力に迫ってみた。

【写真を見る】後部座席は足元もゆったりで広々!/モデル:榊原莉奈(キャンパスクイーン/白百合女子大学ミスコン2014グランプリ)

日本においてタクシーは、4ドアのセダンタイプが一般的だ。しかし、大きなスーツケースを持って来日する外国人観光客に対して、セダンタイプだとスムースな「おもてなし」が難しいという。2020年の東京オリンピック開催時には、多くの観覧客・選手の来日が予想される。また、高齢者にとって従来のタクシーでは乗降時に不便さが伴った。

そこで、日産自動車は既発売の商用車「NV200 バネット」をベースとして、タクシー会社と共同で、3年の月日をかけて新型タクシー車両を開発した。それが「NV200タクシーだ」。

■ NV200バネットをベースに、タクシー会社と3年かけて開発

NV200バネットの三列目シートを取り外して後部座席を広くした他、シートを新設計。フラットフロアの室内空間と、スライドステップ付きの大きな自動ドアにより、一段とスムーズな乗降を実現した。

広いラゲッジスペース大型スーツケースが4個、立てた状態で収納可能。車内を仔細に見ると、USB端子やACコンセントが設けられ、スマートフォンやノートPCの充電を可能としている。

また、従来のタクシー並みの乗り心地を実現すべく、サスペンションを最適化したとのこと。このNV200タクシーを導入したタクシー会社は46社を超え、実際にかなりの台数が走行しているという。

■ 圧倒的な視界の広さ

今回試乗したのは、日本導入前にアメリカ・ニューヨーク市の次世代イエローキャブに採用され、すでに700台以上がサービスを開始している車両。日本仕様とはハンドルの位置を含め、幾つか異なる。

ちょっと重たいドアを開け、運転席に座ると、普通乗用車とは異なる視野の広さに驚く。特に前方視界が広く、視覚になりがちな助手席側の前方下部もしっかりと見ることができる。

ハンドルは重く、スイッチ類のタッチもかなり固め。これらは、長時間運転していても「操作間違えない」という配慮なのだろう。ワイパーやウインカーは、他社輸入車同様に、通常の国産車とは逆。メーターまわりはシンプルで、表示が大きく見やすい。中央にカーナビを備える。

NV200NYタクシーのドライブフィールは、視線の高さもあってか、セダンとは大きく異なる。常にカッチリとした手応えがあり、変な例えではあるが、スポーティーな感じを受けた。とはいえ、乗り心地に硬さはなく、むしろセダンのようであり、ちょっと不思議な気分。

後部座席は大柄の男性が三人並んで座っても十分なほどの広さ。足を組んでも、前に投げ出しても余裕があるほどだ。乗降時もフラットフロアのおかげで、とてもスムース。なにより中央に座った人が苦痛にならない。

ふと見上げると、パノラミックルーフによりクルマの真上の風景を見ることができる。車内の閉塞感を解消するだけでなく、夜景や桜、紅葉の時季に喜ばれること間違いなしだ。実際、タクシー会社の中には、この車両を使った観光メニューを用意しているという。

■ 世界に向けた「おもてなしタクシー」

新型車両「NV200タクシー」は、今年2月、OMOTENASHI NIPPON実行委員会が「日本のおもてなしを世界のOMOTENASHIへ」を合言葉に2015年から実施している「OMOTENASHI Selection(おもてなしセレクション)2016」の金賞を受賞した。街中でこのタクシーを見かけたら、手を上げて停めてみてはいかがだろうか。【東京ウォーカー】