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8月5日に開幕するリオ・デ・ジャネイロ五輪に向けて、現在ブラジル国内で聖火リレーが行われています。財政難からリレー受け入れを辞退する自治体が出るなど、波乱含みの幕開けとなっていますが、ところでこの聖火はどこで採火されたものなのかご存知ですか? オリンピックの聖火は毎回、オリンピック発祥の地であるギリシャのオリンピアで採火されることになっています。その地が『オリンピアの考古遺跡』として世界遺産に登録されているのです。

○巫女さんたちが太陽光で聖火を起こす

オリンピックの起源は紀元前9世紀頃とされています。古代オリンピックは全能の神ゼウスをはじめ、多くの神々を崇めるため全ギリシャから参加者が集まる競技大会でした。スポーツは神を喜ばせるために行うものであり、宗教儀式や信仰と切り離せないものでした。

古代ギリシャ人にとって火は神聖なものだったので、大会期間中は神を称えるためにゼウスと妻であるヘラの神殿に火を灯していたそうです。現在ではヘラ神殿跡にて、巫女姿の女性たちが凹面鏡に太陽光を集めて火をおこす採火式が行われています。

今回は日本時間の4月21日に行われ、IOCの公式チャンネルで生中継されたので筆者も視聴したのですが、伝統的な白い衣装に身を包んだ巫女たちによる厳かな儀式で、ついつい見入ってしまいました。その聖火はギリシャ国内を巡った後、5月初旬に空路でブラジルに運ばれました。

ところで古代オリンピックはローマ皇帝により393年に廃止されてしまいます。その皇帝・ヘテオドシウスはキリスト教をローマ帝国の国教と定めた人物ですから、ギリシャの神々を祀る事は異教儀式とみなしたのです。その後この地は衰退し、さらには大地震にあって地中に埋まってしまいます。発掘が開始されたのは19世紀に入ってからのことです。発掘された品々は、当時の人々の高揚や競技会の躍動感を伝えています。

○世界遺産データ

オリンピアの考古遺跡。文化遺産。1989年登録。ギリシャ

○地図

○筆者プロフィール:本田 陽子(ほんだ ようこ)

「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。
○世界遺産検定とは?

世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催:世界遺産アカデミー
開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地:全国主要都市
受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円
解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)
申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込み
その他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて

(本田陽子)