Googleストリートビューのクルマ? 実は警察車両でした。ナンバープレートを監視、米アリゾナ州で発覚し物議

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あるセキュリティ研究家が先日、不審なSUVについてTwitterに1件のツイートを投稿した。これによって、米国ペンシルベニア州フィラデルフィアの路上で監視装置を隠し、Googleストリートビューの車両に扮していた怪しいクルマの正体が暴かれることとなった。
5月11日、マット・ブレイズ氏は、謎のGoogleマップのステッカーが貼られた、見るからに怪しいクルマの横を通りがかった。その車両はフィラデルフィア市の登録で、窓の内側にはペンシルベニア州警察の車両証が置いてあり、しかも「ナンバープレートリーダー」が搭載されていたという。これは法執行機関が用いている機器であり、現在物議を醸している技術だ。数千台の車両の動きを自動で記録し追跡することができ、それぞれの動きは警察のデータバンクに保管される。ちなみに、そのデータにアクセスするには、ほんの数段階の手順を踏めばいいだけだ。

普通の人なら見過ごしてしまうようなところだが、ブレイズ氏は偶然にもペンシルベニア大学のコンピュータ情報科学科の准教授だった。同氏はこの車両の写真をTwitterに投稿し、現代都市の住民なら誰もが不快に思うような監視体制の存在を明らかにしたのだ。



マット・グレイズ@mattblaze
「何だこりゃ? ナンバープレートリーダーを載せたペンシルベニア州警察のSUVが、Googleマップのストリートビュー撮影車に変装してるぞ」

グレイズ氏は「恐らくGoogleにとっては嬉しくないことだと思うが、それはさておき、とにかくひどい変装だ」「これではむしろ注意を引くだけだろう」と続けてツイート。同氏の指摘はもっともだ。多くの人は、ナンバープレートリーダーがどんな外観をしているのか知らない。一般のクルマならそれが積まれていても目を留めることもないだろうが、こんな稚拙な偽物に搭載されていたら、むしろそれに気づく可能性は上がるだろう。

ペンシルベニア州警察は、グレイズ氏のツイートに対し、これは州警の車両ではないと返信。さらには州警の警察官の1人が、米国のウェブメディア『Gizmodo』に対して直接その事実を否定した。ところが、12日夕方になって、同州警察はこのSUVが州警の車両であると認めたと、同じく米ウェブメディアの『Motherboard』が報じた。ただし、Googleマップのステッカーについては知らなかったとしており、なぜこのSUVに貼られたのか、事の経緯を調査中であり、問題のステッカーはすでに剥がしたという。Googleも、この件について独自の調査を始めている。

ナンバープレートリーダーの使用は州警察だけに限られたことではない。昨年は、人権擁護団体である米国自由人権協会(ACLU)が「情報公開法」に基づく情報公開請求を行ったことよって、米国司法省が数億件におよぶナンバープレートの追跡データを保管していることが判明した。人々の動きを追跡するナンバープレートリーダーの驚異的なテクノロジーについて、『Motherboard』は政府機関の製品を扱っている機器メーカーに勤めていたブランドン・ヴォルフ氏に話を聞いている。気になる人はこちら(英語)から同氏の話をお読みいただきたい。

By Erin Marquis
翻訳:日本映像翻訳アカデミー