Q:会社で笑うことはあまりないし、家庭でもほとんど笑いません。最近、妻に「笑わないと脳卒中になりやすいし、ボケるわよ」と言われました。面白くなくても笑うようにしたほうがよいでしょうか。アドバイスをお願いします。
(52歳・電気技師)

 A:笑いと脳卒中や心臓病の関連について、今年3月、東京大などの研究チームが発表したデータがあります。研究チームは、65歳以上の男女に毎日の笑いの頻度、持病などを調査。回答のあった2万934人を対象に、笑いと脳卒中などの関係を分析しました。
 結果は、日常生活でほとんど笑わない高齢者は、ほぼ毎日笑う高齢者に比べ、男性では過去に脳卒中になった人、脳卒中で闘病中の人が1.4倍も高かったのです。心臓病は同様に1.11倍でした。
 また、笑いと認知機能については、大阪府のある地域の住民2516人(平均年齢59歳)を対象にした調査の結果があります。

●つくり笑いでも効果
 調査は、普段の笑う頻度を質問用紙に記入してもらい、生活習慣や病気の有無の問診・検査を行いました。対象者のうち、65歳以上の人に認知機能や身体機能の検査を行い分析したところ、認知機能の低下が疑われた人は全体の25.7%でした。
 そして、「ほぼ毎日笑う人」を基準にして、笑いの頻度が少なくなると認知機能の低下がどの程度高くなるかを調べました。その結果、「ほとんど笑わない人」はほぼ笑わない人の2.15倍も認知機能が低くなるリスクがあると分かったのです。
 さらに1年後、認知機能が正常な人だけを対象にもう一度、認知機能の検査をしたところ、ほとんど笑わない人ほど認知機能の低下が認められたとの報告もあります。
 笑いが健康にもたらす効用は、免疫力を高め、がんになりにくいという報告もあります。笑いが心身の健康によいことは疑う余地もありません。
 ご質問の方も、別段面白くなくても、笑ったり、笑みを浮かべたりしてみてください。
 嫌なことがあったときこそ笑顔をつくりましょう。つくり笑いでも、免疫力を高める効果があると言われます。

首藤紳介氏(表参道首藤クリニック院長)
 久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院、湯島清水坂クリニック等の勤務を経て、表参道首藤クリニック院長。自然療法や代替医療をはじめ、水素温熱免疫療法や点滴療法、遺伝子治療などの高度先進医療を実践。