ミドルリスク・ミドルリターン[ソーシャル・レンディング]の可能性とは?
数万円からの少額投資で、5〜10%の利息が得られるソーシャル・レンディングの仕組みについて、専門家に聞いた!

◆右肩上がりに膨張するミドルリスクミドルリターンの新サービス

 外国為替市場では円高が絶賛進行中。連動するかのように日経平均株価も不安定な状況。FXにしろ株にしろ、簡単ではない相場が昨今続いている。

 そんななか、新たな投資先として注目を集めているのが“貸付型クラウドファンディング”と呼ばれることも多い「ソーシャル・レンディング」なるサービスだ。クラウドファンディングとは、プロジェクトを達成させるための資金を不特定多数の人(Crowd=群衆)から集めて、資金調達(Funding)する仕組み。大手家電メーカーでは製品化できないような奇抜なプロダクトの製品化を目的にしたり、熊本地震の被災支援を目的としたプロジェクトで利用されている。ここで今回紹介するのはクラウドファンディングの一種で、利息付きで元本が戻ってくる貸し付け型。このタイプを、特に「ソーシャル・レンディング」と呼ぶのだ。

 仕組みはこうだ。企業や団体などが、新規事業を立案。インターネットで事業内容を公開し、投資してくれる賛同者を募る。投資家はファンドに出資し、事業が計画通りに進めば元本が利息付きで戻ってくる。当然、投資家は貸し倒れのリスクを負うものの、5〜10%という銀行預金などの金融商品に比べて高い利回りが期待できる。また、数千万円の資金調達を小口に分けるので、数万円からと、少額で始められる点もソーシャル・レンディングの大きな特徴だ。

 こうした高利回りを背景に、ソーシャル・レンディングの市場規模も右肩上がりに拡大している。市場調査会社・矢野経済研究所のリポート(2015年7月末時点)によれば、国内でクラウドファンディングを扱う企業数は100社程度。SBIグループや伊藤忠商事など大手企業の参入も見られる。そして新規プロジェクトに対する支援額は、’12年度が69億円、’13年度が120億円、’14年度が156億円と、右肩上がりで成長を続けているのだ。

◆ミドルリスク・ミドルリターンが好評

「成立融資額が、これまでの累計で457億円を突破しました。直近の融資残高でも約120億円と絶好調です」

 と語るのは、ソーシャル・レンディング市場の50%以上のシェアを占める『マネオ』の田中直樹氏。

「ユーザーは30〜40歳代が多く、70%以上を占め、その多くが男性です。運用資産が1000万円ほどあり、そのうちの200万円をソーシャル・レンディングに回している方が多い印象ですね」

 今やユーザー(投資家)登録数は3万人を超え、アクティブユーザーは約4000人だという。

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=94948

「ミドルリスク・ミドルリターンが狙える投資として好評です。融資先として多いのが不動産関連になりますが、借り手の審査に関しては10案件のうち通るのが1案件あるかどうかというほど厳しく行っています。そのため、これまで投資家に損をさせたことはありません」

 投資家のメリットとしては、前述したように少額からエントリーでき、利率が高い点が挙げられるが、資金の受け手である借り手のメリットは募集から融資を受けるまでのスパンが短いことが挙げられる。

「返済能力はあるけれど、銀行からは借りられない企業は少なくありません。設立間もない企業や飲食店などは、借りにくいのが現状です。そうした企業に、上手に利用してもらいたい。また今後は、海外の融資先も積極的に発掘していきたいと思っています」

◆少額取引の場合は手数料がネックに

 高利回りで少額から気軽に始められるソーシャル・レンディングだが、気になるのは貸し倒れリスクだ。元本保証はなく、投資家は相応のリスクを引き受ける覚悟が問われる。この点について、SBI証券の藤本誠之氏に聞いた。

「今後も借り手(融資案件)を見つけ出せて、市場が順調に成長していけば、リスクはそこまで高くないと考えられます。ただし商品特性上、投資先の顔が見えないというのは、不安ですよね。もし投資するのであれば、リスクはできるだけ減らしたい。基本的なことですが、投資先は一極集中せずに分散するべき」

 ただし、分散した場合には、それぞれの投資金額が少なくなってしまう。

「少額で投資を始められるようなので、分散投資もしやすいですよね。ただし、少額で投資していった場合に、気になるのが手数料。口座への振込手数料だけでも、バカになりませんから」

 見えづらいリスクや手数料とどう付き合うか――ソーシャル・レンディングの恩恵にあずかるには、この2つは避けて通れない。

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=94949

【田中直樹氏】
maneoマーケット。趣味は食べ歩き。これまでさまざまな企業の経営企画やIPOなど、主に管理部門を経験。’14年にマネオに入社。現在は、同社の取締役であり、管理部長を務める

【藤本誠之氏】
SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリスト、ITストラテジスト。近著に『39連勝!「相場の福の神」が教えるザクザク株投資術』。All About株ガイドを務める