死に至るケースも?知らないうちに陥る「カフェイン中毒」の怖さ
「朝、起き抜けのコーヒーが欠かせない」――。
筆者もそんな習慣があるひとりですが、自宅でコーヒーを飲んで出社、オフィスでもコーヒーサーバーがあり自由に飲めますし、日本人は緑茶を飲む習慣もあります。カフェラテも流行っていますよね。
更にはコーヒー、緑茶、ココアなどの健康効果が次々と発表され、「体に良さそうだから」と意識して飲んでいる人もいるのではないでしょうか?
しかしここでちょっと気になるのがカフェインの問題。日常的にコーヒーや緑茶などカフェインの入った飲料を飲むだけでなく、「ちょっとお疲れ気味だから」とエナジードリンクを追加。そんな経験はありませんか?
今回は健康管理士の筆者が、そんな人たちがちょっと気になる“カフェイン中毒”についてご紹介します。
■急性カフェイン中毒
カフェイン中毒には急性と慢性があります。
急性カフェイン中毒は、短時間に大量のカフェインを摂取することで胃痛や吐き気に下痢、めまいといった肉体的症状や、落ち着きがなくなったり不安感が強くなったりという精神的症状が出ます。
ごく稀ではありますが死に至る場合も。
では、どれくらいの量を一気に摂るとその症状が出るかというと、体質や体調によって個人差はあるものの、体重50kgの成人では1時間に325mg、3時間に850mgのカフェインを摂ると危険だとされています。
例えば、マグカップに入れたドリップコーヒー(300ml)だとカフェインは270mg。そんなにがぶ飲みする人はいないかとは思いますが、1時間に1杯以上飲むのは控えた方が良さそうですね。
■慢性カフェイン中毒
一方、気づきにくく注意が必要なのが慢性カフェイン中毒。実はカフェインにもタバコのニコチンやアルコールのように依存性があるのです。
カフェインの効果としては、シャキッとする覚醒作用や集中力のアップ、近年ではダイエット効果などもあると言われていますが、その反面カフェインの過剰摂取が続くと、神経が過敏になって落ち着きがなくなったり、動悸や不眠、焦燥感や不安感が強くなったりします。
朝の起き抜けや食後といった自分が決めた時間にコーヒーを飲まないと、何だか落ち着かなかったり、そわそわした気分になったり、やる気がなくなったり、そんな症状があれば慢性カフェイン中毒(カフェイン依存症)かもしれません。
特に1日4杯以上のドリップコーヒーを飲む人は要注意です。
■「もしかして中毒かも?」そう思ったら…
もしも「カフェイン中毒かも?」と不安になっても、突然すっぱりカフェインを断ってしまうと離脱症状が現れ、強い不安感に襲われたり胃痛や吐き気といった症状が出たりするリスクがあります。コーヒーを飲もうと2回思ったら1回だけ我慢するなど、徐々に減らしていく方法がいいでしょう。
いかがでしたか? 今回はコーヒーに限っての話でしたが、カフェインはコーヒーだけでなく緑茶や紅茶、ココアやコーラとさまざまなものに含まれています。
これからの時期、大切な水分補給は白湯や経口補水液などと上手く組み合わせて行いましょう。
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。
【画像】
※ GaudiLab / shutterstock