ル・マン24時間耐久レースに向けて決意を語るトヨタの沖田氏(左)と村田氏(右)

写真拡大

トヨタ自動車のレーシングチーム「TOYOTA Gazoo Racing」は5月20日、都内にてメディア説明会を開催。あと1ヶ月後に迫った世界三大自動車レースの一つ、ル・マン24時間レースに対する意気込みを語った。

【写真を見る】今年のメッセージは「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」

■ 「ル・マン優勝は我々にとって長年の悲願」

ル・マン24時間耐久レースは、「世界耐久選手権」(WEC)の第3戦にあたる。トヨタが参戦するLMP1- H クラスは、現在アウディ、ポルシェが参戦し、熾烈な戦いを繰り広げている。トヨタは2年前にシリーズチャンピオンを獲得。しかし、過去30年にわたりル・マンに挑むものの、未だ勝利の美酒を味わったことはない。

今回ル・マンに挑むのは、昨年挑戦したモデルとは大きく異なる、四輪駆動のハイブリッド車「TS050 HYBRID」。強力なモーターと、2.4リッター・ツインターボエンジンにより、加速時には1000馬力を発生する。

マシン開発リーダーの村田久武部長は「今年のマシンは、ル・マンに焦点を絞り、10ヶ月という短期間で開発、入社以来屈指のハードワークで仕上げた。ル・マン優勝は我々にとって長年の悲願。勝って一流自動車メーカーの仲間入りを果たしたい」と熱く語る。

■ 「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」

同席した沖田大介・モータースポーツマーケティング部長は、モータースポーツの現場に出向き2つ悔しい想いをしていると語った。ひとつは「ドイツ勢(17勝のポルシェ、13勝のアウディ)の後塵を拝していることは、なにより悔しい。ハイブリッド・レーシングカーは、トヨタが先鞭をきった技術であり、また市販車では800万台以上のハイブリッドカーを生産してきた。その我々は負けたままでいいのか」こと。そこで今年は「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」というメッセージで挑むことを決めたという。

そしてもう一つの悔しい想いは、「モータースポーツは、技術陣が命がけで、まさに死ぬ思いで取り組み、ドライバーたちも極限で戦っている。さらにル・マンは国の威信を背負って戦うという面もあるなど、モータースポーツは本当に素晴らしい世界であるのに、まだまだ日本人には知られていない」こと。

そこで、今年は誰でも気軽にル・マンが観戦できるよう、スマホアプリであるLINE LIVEを使った24時間の放送を実施。J SPORTSの協力を経て、スタートの様子を生中継で配信し、後のレースについては2時間おきにダイジェストで放送する予定だ。

注目のル・マン24時間レースの決勝は、6月18日(土)〜19日(日)。スマホを片手に、トヨタの熱い走りを応援しよう!