実地テストをくぐり抜けたDHLの配送ドローンは「すばらしく実用的」

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テック企業の巨人たちも取り組む「ドローン配送」に、宅配大手DHLが一歩先んじる実験を行った。アルプスの風雪のなかで行われた、堅実なる配送テストの成果。

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今年初め、小型のロボットヘリコプターがバイエルンアルプスを飛行し、「ヨーデルが聞こえる距離」ほど離れた2つの村の間を往復して100回以上の配達を行った。

いまもアマゾンやグーグル、あるいはUPSなどは(ドローンの)自律テクノロジーに磨きをかけ、障害物に衝突しないようにすべく試行錯誤を繰り返しているが、このとき使用された「DHLパケットコプター」(英名は「DHLパーセルコプター」)は、風雪のなか、医薬品やその他小包を小さな問題も起こさず届けた。

「スカイポート」から別のスカイポートへ時速45マイル(約72km)で飛行する小型ドローンは、トラックで30分かかる距離を8分で飛行する。「新たな大挑戦に向け、われわれは意図をもってテストエリアを選びました」と、DHLの広報担当者ドゥニャ・クールマンは言う。

DHLは、2013年にドローンを使ったテストを開始している。クワッドコプターに搭載した小包をライン川対岸に配達し、14年には北海海域の島へ医療品を送り届けた。彼らドイツの海運会社は今回のテストで、カーボンファイバーのティルトローター(「V-22」、いわゆるオスプレイを想像してもらいたい)のドローンを開発した。ヘリコプターのように離陸し、飛行機のように飛行する。翼幅6フィート(約1.8m)、搭載重量4.5ポンド(約2kg)、そして最高速度は時速80マイル(約130km)だ。

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河川の横断や洋上の飛行であれば、障害物はけっして多くない。しかし、アルプスでは別だ。(今回のテストが行われた村である)ライト・イム・ヴィンクルは、ドイツとオーストリア国境に接している。そこから1,600フィート(約490m)登ったところに、(もう一方の村である)アルムがある。これら2つの村の住民は、両村間の狭い道路をいちいち登り下りするのではなく、スカイポートに荷物を託すかたちでテストに参加した。

スカイポートは全自動だ。箱の中に小包を入れ、コードを入力する。そうすれば自動化されたシステムが箱をドローンに搭載する。すべてのチェックがクリアになると、スカイポートの屋根が開きパケットコプターが離陸する。こうして今年1月から3月までの3カ月間、家や店舗といった障害物を避けたルートで130回の飛行が行われた。

集積所を用いることで、受取りと引渡しはドローンにとって容易になるし、ルートは1つだけで済む。これは、戸口まで個別配達するというアマゾンの夢に比べればはるかに簡単だ。

DHLの方法は、アマゾンが取り組んでいるような未来のドローン配達業者の姿とは確かにまったく異なるものだ。だが、彼らが輸送インフラのテクノロジー開発で前進したのは間違いない。少なくともビジネスとして成立するルーティン業務として見せてくれたのだから。それは、ヨーデルの歌声くらいはっきりと、伝えておかねばなるまい。

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