子どもたちに対する学校教育の目的とは何だろうか。学校教育法および文部科学省によれば、小学校教育の目的は「心身の発達に応じて、初等普通教育を施すこと」であり、目標の1つは「学校内外の社会生活の経験に基き、人間相互の関係について、正しい理解と協同、自主及び自律の精神を養うこと」にある。(イメージ写真提供:123RF)

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 子どもたちに対する学校教育の目的とは何だろうか。学校教育法および文部科学省によれば、小学校教育の目的は「心身の発達に応じて、初等普通教育を施すこと」であり、目標の1つは「学校内外の社会生活の経験に基き、人間相互の関係について、正しい理解と協同、自主及び自律の精神を養うこと」にある。

 つまり日本では基礎学力の向上はもちろんだが、子どもたちが学校生活のなかから人間関係を学び、自立に向けた社会経験を積むことも重視していることが見て取れる。教科書から得られる知識だけでなく、日本社会の一員としての常識も身につける過程が小学校の教育だと言えよう。

 一方、中国の学校では何よりも「学力」が重視されている。中国の都市部では子どもたちの競争も極めて激しく、日本とは比較にならないほどの詰め込み教育が施されている。日本と中国の教育方法のどちらが良いのかは簡単に比較できるものではないが、中国江西網はこのほど、日本では小学生にトイレ掃除をさせていると驚きを示し、トイレ掃除を行うことの意義を説いている。

 記事は、日本の小学校では子どもが自らトイレ掃除を行い、掃除を通じて労働の価値や公共の場所を清潔に保つことの価値を学んでいると指摘。中国では学校は勉強する場所であり、「労働」する場所ではないとの認識があるようだが、日本の学校では掃除はあくまでも勉強の1つとして行われ、労働として扱われていないことに驚きを示した。

 中国のある学校は過去に生徒たちに校内の掃除をさせようとしたが、生徒たちは誰も言うことを聞かず、学校がゴミまみれになったという事例もある。記事は、小学校で子どもたちにトイレ掃除をさせれば、子どもたちは物事を自分で行う能力、自己責任や自立、公共施設を大切に扱う考え方を持つようになるだろうと指摘した。

 一人っ子政策を行ってきた中国では、親は子どもを厳しく躾けることができず、子どもたちがわがままになってしまったという指摘も多い。このような状況で、学校が子どもに掃除の大切さや衛生基準を教えるのは簡単なことではないだろう。しかし、少しでも早く始めなければ、いつまでたっても中国の衛生基準や労働者を見下げる態度は改善されないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)