弁護士・柳原桑子先生が、堅実女子の悩みに答える本連載。

今回の相談者は、すみれさん(34歳・広告代理店勤務)。同僚だった男性と先日結婚したばかりなのに、早くもレスになってしまったという相談です。

「最近、結婚したばかりなのですが、5歳年上の夫から性交渉を拒まれ続けています。夫はもともと強い方ではなかったのですが、結婚して家族になった瞬間に、私のことが女性として見られないようになったそうです。これを聞いたときは、とてもショックでした。

私からそういう雰囲気に持って行くと、リビングのソファに逃げ出すし、そこを追いかけると“あなたのことは好きだけど、どうしてもできない”などと言われます。体をさわると、手で払われます。何か悪いところがあるのだろうかと理由を聞いても“迫られるとダメになるし、自分からはできないし……”とあいまいな言い訳ばかりされています。

ただ、女性として拒否されるのがショックです。”友達に戻る?”(つまりは、離婚する?)と聞くと、”それは嫌だ”と言います。私が迫らなければ、同じベッドで寝たり、お風呂に入ったりといたって良好な夫婦関係を続けています。

しかし、これから子供の問題もあり、性交渉を避けて通るわけにはいきません。私自身、他の男性とどうこうするというのは、全く考えられず。(おそらく夫も同じ考えだと思います)。

悩ましいのですが、法律上、性交渉は夫婦間の義務と聞いたことがあります。それは本当でしょうか? もしこの状態が続いたら、結婚を継続したまま慰謝料請求できますか? そのくらいしないと、気分が収まりません。お互いに愛し合っている人から性交渉を拒否される精神的苦痛は、予想以上に大きかったです。それとも私は離婚したほうがいいのでしょうか?

悩ましい、すみれさんの抱えるレス問題……。柳原桑子先生のアンサーは次のページへ!

レスだけど、夫婦関係は良好。そんなお悩みに対するアンサーは以下!

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性交渉が夫婦の義務だとまでは言えないですが、婚姻生活における重要な要素であることは間違いありません。

よって、健康な夫婦において理由なく性交渉に応じないという場合には、今後も改善が困難なようであれば、離婚理由になりえます。

ただ、夫婦双方が二人の関係性において性交渉を重要視するものでなく、性交渉がないかほとんどなくても婚姻関係の継続に問題はないという場合だったり、体調等の理由があって性交渉ができにくい場合には、性交渉が起こらないことが、離婚理由になるとはいえません。

本件は身体の健康上の理由ではないようなので、離婚するかどうかは、今後の改善の見込みによると思います。

離婚せずに、慰謝料を請求できるかということについては、離婚するほどの問題ではなかったということにもなりうるので、難しいと思うところですが、事情にもよるでしょう。

話し合いを重ねても一向に改善しない夫婦関係。性交渉が問題化しなければ、一生添い遂げたいと思っているとか。怒りに任せて夫に暴言を吐かぬよう、感情をセーブする毎日だそう。



■賢人のまとめ
性交渉は結婚生活に重要な要素ですが、義務とまで断言できないのが実情です。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/