開演前には、中高年の女性ファンを中心に列ができる。地元在住のファンも目立つ

写真拡大

昭和20年代、都内に50軒を数えたという大衆演劇の劇場。今なお健在の貴重な劇場が、十条に息づく「篠原演芸場」だ。都内の劇場は、1951年に創業された篠原演芸場のほかは、浅草と立川を残すのみ。受け継がれてきた文化の火を絶やさぬよう、連日公演が行われている。

【写真を見る】「美鳳」と「章劇」の合同公演より。現在120ほどある劇団は、20〜30代の若い座長も多い

■ 演目は日替わり

大衆演劇とは、おもに専用の劇場で行われる時代劇+舞踊ショーで構成される舞台で、演者と客席の距離が近く、内容のわかりやすさが特徴とされる。1か月交代で登場する劇団は、5月に「劇団荒城」、6月に「スーパー兄弟」というラインナップになっている。演目は毎日変わるというから驚きだ。また、リーズナブルなのも特徴で、芝居+舞踊で3時間半にわたる盛りだくさんなショーを、大人1600円で楽しむことができる。

代表の篠原淑浩さんは「平成以降、役者の世代交代が進み、若い女性ファンも増えてきています。伝統を守るいっぽうで、後継者を育て、新しい形の舞台を作っていきたいです」と、未来へ向けての抱負を語る。初めての人でも、理屈抜きで楽しめる大衆演劇の世界。十条散策の目玉として、生で体験してみたい。