パレスチナ問題のゲームを却下したアップルと、それに対する批判

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戦下のガザ地区をテーマにしたゲームを、アップルが「ゲーム」カテゴリーにはふさわしくないとして拒否した。しかし、イスラエル側の視点に立つゲーム「Israeli Heroes」が入手できることもあり、批判されている。

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アップルが、パレスチナとイスラエルの紛争を題材にしたゲームを、「App Store」の「ゲーム」カテゴリーに登録することを拒否した。政治的なテーマはゲームとみなされないというのが同社の主張だ。しかし、イスラエル側の視点に立つゲームが入手できることもあり、この動きは批判されている。

Liyla and The Shadows』(リンク先はPlay Store)と名付けられた問題のゲームは、シンプルな操作のプラットフォームゲームだ。プレイヤーは、影絵のようにデザインされたガザの街を舞台に、ドローンや爆弾などの危険を避けながら家族を安全な場所まで連れて行く。無事に避難するためには、パズルを解いたり、突然変化する環境に対応したりしなければならない。

「残念なことに、アップルはこのゲームをゲームとして登録することを拒否しました。彼らによれば、これはゲームではなく政治的声明だそうです」と、開発者のラシード・アブエイデはTwitterに投稿した。

アップルは、Liylaの申請を完全に取り下げるよう求めているわけではなく、カテゴリーを「ニュース」または「辞書/辞典/その他」に変更するようアブエイデ氏に勧めているという。

だが、『Eurogamer.net』が報じたように、「イスラエル側の視点」でガザ紛争をテーマにしたゲーム『Israeli Heroes』がいまもiOSデヴァイスで入手できることから、アップルの対応には批判が多い。

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アップルは2015年、全米にショックを与えた黒人教会銃撃事件(サウスカロライナ州チャールストンで、白人男性が9名の黒人信徒を銃で殺害した事件)を受け、南部連合旗をフィーチャーしたすべてのアプリをApp Storeから取り下げた。その中には、史実を正確に再現した戦略ゲームも含まれていた。その後、同社はこれらのゲームを復活させたが、最初の取り下げは警告や協議なしに実施していた。

さらに2013年には、発展途上国における少年労働などの労働搾取をテーマにしたゲーム「Sweatshop」(文末に動画を掲載)が、「内容が不快すぎる(too uncomfortable )」としてApp Sotreから取り下げられている

Liylaは、アップルから公開を拒否されたものの、2016年はじめに行われたカンファレンス「Reboot Develop 2016」ではインディーゲーム部門の「優れたヴィジュアル」カテゴリーで最優秀賞を獲得している。また、「Google Play」では今もダウンロードが可能であり、「ゲーム」のカテゴリーに登録されている。