20日、ドイツのヘンドリクス環境・原子力安全相が日本記者クラブで会見。2020年に原子力発電所を廃止し、再生可能エネルギーを中心とするとの同国エネルギー政策を説明、「経済的に見ても原発は費用がかかり、将来世代に責任を持てるものではない」と強調した。

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2016年5月20日、ドイツのバーバラ・ヘンドリクス環境・原子力安全相が日本記者クラブで会見した。2020年に原子力発電所を廃止し、再生可能エネルギーを中心とするとの同国エネルギー政策を説明、「ドイツは原発の稼働延長は再生可能エネルギー開発の遅れにつながるということを自らの経験で認識している」と語った。その上で、「経済的に見ても原発は費用がかかり、将来世代に責任を持てるものではない」と強調した。発言要旨は次の通り。

ドイツの原子炉はかつて20〜21基稼働していたが、現在は8つだけ。昨年大きな原発を1つ閉鎖したが電力は余剰の状態。電力23.5%が再生可能エネルギーで、この比率はさらに拡大する。原発の停止が徐々に実現できると確信している。そのためには安定的な制御機能が必要だが、心配はなく、電力不足にはならない。ドイツの電力事情は最も安定している。ドイツは原発の稼働延長は再生可能エネルギー開発の遅れにつながるということを自らの経験で認識している。

「再生可能エネルギーの活用によって世帯当たりの年間電力料金は100ユーロ(約1万2300円)ほど増えているが国民はこれを受け入れている」と語った。

2020年までの原発停止決定により、4つの原発事業会社から賠償を提訴されたが、第一審で賠償は必要ないという判断が下され企業側が敗訴した。最終審でも同様な結果となると見られる。事業会社が貯めている400億ユーロ(約5兆円)の約半分を廃炉費用に充てる。

停止後10年間で最終処分地を選定、処分地への持ち込みは40〜50年かかる。2020年以降は高レベルの廃棄物が発生しないので計画が立てやすい。経済的に見ても原発は費用がかかり、将来世代に責任を持てるものではない。

福島第1原発を19日に視察した。3号炉のデブリ(燃料溶融ゴミ)がどこにあるのか分からないということだった。40年で廃炉する計画だが、福島の場合は除染作業が必要で、その進み具合によるだろう。(八牧浩行)