photo by geralt( CC0 Public Domain)
 5月17日、MM総研が2015年度の国内パソコン出荷実績調査の結果を発表した。

 それによると国内パソコン出荷台数は前年度比21.4%減の990万6000台となった。13年度に発生したWindowsXP搭載機の更新特需の反動が続いているが、半期別にみると上半期は前年同期比29.5%減の474.1万台、下半期は同12.3%減の516.5万台と減少幅は縮小しているという。

 流通ルート別実績では、個人向けルートが前年度比18%減の428万台、法人向けルートが23.8%減の562.6万台となり、法人更新需要の反動がより強く市場に反映される結果となっている。

 メーカーシェアは、首位のNECレノボ、2位の富士通、3位の東芝と上位3メーカーの順位に変化はなく、期中にエンタープライズ事業との分社化を実行した4位の日本HPが前年の5位から順位を一つ上げた。6位のアップルは前年度比91.8%とランキングメーカーのなかではもっともも良い結果であったが、ランキング対象となる全てのメーカーが前年度比を割り込む結果となった。

◆出荷平均単価は増えた

 出荷金額は前年度比14%減の8736億円となった。出荷平均単価は前年度の8.1万円から7000円増の8.8万円。円安による部材費の上昇と、プレミアム機種へのシフトで価格が上昇した。

 同リポートでは、2015年度は昨年予想の通り、出荷台数の減少が続き、15年に登場したWindows10は市場を一気に喚起するとまでは至らず、回復の度合いは予測を下回る状況となっているとしている。ただ、その分2016年10月末に、Windows7搭載機のメーカー出荷終了が予定されており、法人市場では主力OSとなっている同OS搭載機の駆け込み需要が発生する可能性もあると予想している。

 一方、特に法人利用では、最新OSで強化されたセキュリティやタブレットやスマホ兼用での生産性革新といった機能を早めに評価した上、OSを含むパソコンやタブレット、スマホなどの端末の利用戦略を見直す時期に差し掛かっているという。

◆2016年は回復に向かう!?

 2016年度のパソコン需要は、13年度に発生したOS入れ替えに伴う特需の反動から抜け出し、回復局面に向かうと予想される。通期では957万台、前年度比は3.4%減と微減を見込むが、法人市場は2.1%増と成長を見込んでいるという。

 こうしたPC市場の鈍化の背景には、個人市場では、スマートデバイス活用によりパソコンの入れ替えが停滞する厳しい状況が続いていることが挙げられている。ただ、各社とも軽薄型モバイルやハイスペック機、またタブレットカテゴリーとなるが、PC、タブレット兼用となる2in1機などプレミアム製品を充実させているほか、DELLが発表した2台目需要を狙った3万円台の低価格モバイルノートもヒットしており、スマートデバイスとの使い分けも底堅い需要として存在する。今後はそのカテゴリが鍵になってきそうだ。

 また、同リポートでは、法人市場について、主に企業のセキュリティ対策やクラウド、モバイル活用検討を一層後押ししていく必要があろう分析している。Windowsの開発思想はクラウド・モバイルファーストへ舵を切っており、オンプレ時代の既存アプリケーションや資産活用では移行コスト等課題も多いが、働き方改革など利用方法次第ではメリットも大きい。10月にWindows7のメーカー出荷終了を迎えるが、法人は、あわてて駆け込むのではなく、パソコンを含む端末利用も含めて中期レンジで会社のシステムのありようを展望、相談したうえ、端末の調達を検討する必要があると指摘している。

参照:「2015年度国内パソコン出荷概要」MM総研

<文/HBO取材班>