Windows 10無料アップグレード終了間近!その前に知っておくべき HomeとProの違い

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Windows 10の無料アップグレードは7月29日までとなる。

ところで、Windowsをアップグレードするとき、Windows 10のHomeとProのエディションに注意はされているだろうか?

特に仕事でパソコンを使う場合は、Proへのアップグレードは十分検討に値する。

ここでは、HomeからProに変更する方法、およびHomeとProの違いについてまとめたので参考にしてほしい。

●Windows 10の無料アップグレードではHome/Proのエディションに注意
Windows 7/8.1のWindows 10への無料アップグレード期間が7月29日で終了する。
7月30日以降は、以下の有料版を購入する必要がある。なお、有料版は以前のエディションにかかわらず該当エディションをインストールできるフルインストールバージョンであり、安価なアップグレード版は用意されない。
・Windows 10 Home……1万9008円(税込)
・Windows 10 Pro……2万7864円(税込)


いろいろ意見はあるだろうが、よほどの理由がないかぎり、ここは素直に無料の期間中にWindows 10にアップグレードした方が得策だろう。ただし、無料アップグレードでは、エディションの変更はできないことに注意したい。
◆Windows 10 Proに無料アップグレードできるエディション
・Windows 7 Ultimate
・Windows 7 Professional
・Windows 8.1 Pro

◆Windows 10 Homeに無料アップグレードできるエディション
・Windows 7 Home Premium
・Windows 8.1(無印)


たとえば、現在、Windows 7 Home Premiumを使っているなら、
Windows 10 Homeにはアップグレードできるが、Windows 10 Proにはアップグレードできないということだ。

逆も同様で、現在、Windows 7 Professionalを使っているなら、
Windows 10 Homeにはアップグレードできない。
ただし、Windows 10 ProはWindows 10 Homeの機能をすべて内包しているので、わざわざWindows 10 Homeにする意味はない。

●Windows 10 HomeからWindows 10 Proに変更するには1万3824円が必要
というわけで、現在、Windows 7 Home PremiumおよびWindows 8.1(無印)を使っている場合は、Windows 10 Proに無料アップグレードすることはできない。

アップグレードするには、いったんWindows 10 Homeに無料アップグレードしたあと、1万3824円を支払ってWindows 10 Proに変更する手続きが必要になる。

手順は次のとおりだ。


設定画面で[更新とセキュリティ]を選択する。



[ライセンス認証]で[ストアに移動]をクリックする。



WindowsストアでWindows 10 Proへのアップグレードができる。価格は1万3824円だ。


●セキュリティを強化するならWindows 10 Proも一考の価値あり
では、Windows 10 HomeとProは、どちらを選ぶべきだろうか。
家庭で使うならHomeで十分だろう。

ただし、仕事で使ったり企業で使ったりする場合は、Windows 10 Proへのアップグレードは十分検討に値する。

以下は、Windows 10 Proでのみ利用できる主な機能だ。
・ドメイン参加……ActiveDirectoryでドメインネットワークを構築している場合はProが不可欠だ。Homeだと会社のネットワークに参加できないので、仕事では使えないだろう。

・BitLocker/BitLocker to Go……情報漏洩対策を強化するなら、ハードディスク全体を暗号化するBitLocker(ビットロッカー)とUSBメモリを暗号化するBitLocker to Go(ビットロッカー・トゥ・ゴー)の2つは非常に効果的だ。


BitLockerはハードディスク全体を暗号化する機能だ。万が一、パソコンからディスクを抜き取られてもデータを読み取ることはできない。


・リモートデスクトップのホスト機能……リモートデスクトップは、LAN上の他のパソコンに接続して、そのデスクトップを遠隔操作できる機能だ。Homeには接続する機能(クライアント機能)はあるが、接続される機能(ホスト機能)はない。したがって、遠隔から操作したいパソコンがある場合は、Proが不可欠になる。

・自動アップデートの延期……Windows 10からは、OSが自動的にアップデートされる仕様となった。ただし、Proの場合、アップデートを一時的に延期する機能が提供されている。一方、Homeには延期する機能はないので、強制的にアップデートされる。自動アップデートによる業務アプリ等への影響を少しでも減らしたいなら、Proを選択するのが賢明だろう。


Windows 10 Proは自動アップデートの適用を延長できる。設定画面で[更新とセキュリティ]→[Windows Update]とすすみ、[詳細オプション]を選択すると設定できる。同じ項目はHomeには用意されていない。


なお、小規模企業などで、すべてのパソコンをWindows 10 Proにする余裕がない場合は、顧客情報や機密情報を扱うパソコンだけでもProにすることをおすすめする。
Proにしてディスクを暗号化するだけでも、安心感が違うはずだ。

Windows 10のエディションによる違い


井上健語(フリーランスライター)