連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第7週「常子、ビジネスに挑戦する」第40話 5月19日(水)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原拓


まさかの歯槽膿漏に次ぐ歯槽膿漏。
事業に挑戦しようと行動を開始した常子(高畑充希)。
彼女が商品化しようと考えたのはなんと歯槽膿漏用歯みがきだった!
歯槽膿漏とは歯茎の病気。歯周病とも言う。
39回でまつ(秋野暢子)が歯槽膿漏に苦しんでいたことが伏線だったとは思いも寄らなかった。やられた。もっとも、意外であればあるほど、伏線はドラマに楽しさをもたらしてくれるものだ。

常子が遊びに行った級友・中田綾(阿部純子)の家でも、お母さんが歯槽膿漏に苦しんでいて、常子は、それが女の人に多い病らしいと知る。
さらに、星野武蔵(坂口健太郎)が、なぜ女性に多いか、その理由を教えてくれる。更年期障害や出産などホルモンバランスの変化によって歯槽膿漏になりやすいのだそうだ。そういえば、妊娠すると虫歯になりやすいとも言う。これってなんだか、後に続く『あさイチ』で取り上げそうな話ではないか。朝ドラ、あさイチと連続で歯槽膿漏予防を訴える、歯みがき促進プロジェクトがあってもヘンではない。

常子はごますり鉢で練り歯みがきを試作するも、大失敗。でも懲りずに試作を続ける。
彼女の歯みがきに足りなかったのは・・・。
それにしても、女性が不利ということから逃れようとしている常子が、女性ホルモンに関わる案件に携わろうとする皮肉。どんなに女性が男性と肩を並べてもいいはずと思ったところで、ホルモンの差異は逃れようがない。
でもまあ、女性の苦しみの救済と考えたら、いいところに眼をつけましたねと高得点だ。

なお、歯磨き粉の歴史は古く、古代エジプトまで遡るそうだ。日本では、ライオンが、明治29年(1896年)、粉歯みがきを、明治44年、日本で初めてのチューブ入り練り歯みがきを発売している。

ところで、39回でいやにフィーチャーされていた福助人形に、松尾スズキの「ふくすけ」を思い出し、39回レビューに書いたが、平岩紙もシアターコクーンでやった「ふくすけ」(12年)に出ていたことを追記しておきたい。それと、西田征史が脚本を書いていた「妖怪人間ベム」(日本テレビ)のベムの造型と、ふくすけの頭部の造型が似ているのと、ベムの映画版は製薬会社の話であることから、製薬会社の話も出てくる「ふくすけ」になんらかの影響を受けていたのかもしれないと想像してみる。とはいえ、福助人形の存在感は完全に歯槽膿漏話でかき消えてしまった。残念。
(木俣冬)