あぶねーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

いやー、危なかった。熱戦つづく、女子バレー・リオ五輪世界最終予選。日本は崖っぷちまで追い込まれ、一回下に落ちました。アジア枠を争うタイとの試合は終始苦しい展開がつづき、フルセットにもつれこむ死闘。しかも日本は最終セットで3-9という大差のビハインドに追い込まれます。15点で決まる最終セットでの6点差、これは極めて厳しい、野球なら9回裏で6点負けてるくらいの状況です。

しかし、日本は諦めず、キレずに、粘った。1点の積み重ねが、そのたびに起こる会場のコールが、そして試合中から積み重なってきた小さなイライラの粒が、日本の勝利=タイの自滅を呼び込んだ。判定とシステムトラブルによってタイが受けた2度のレッドカード、それによる日本の2得点。これがなければ勝利はなかった。スポーツで「心」に追い込まれる試合はなかなかないものですが、まさにこの試合は「心」の差で獲った試合でしょう。これこそ日本の底力。小さなイライラに耐え、落穂のような小さなチャンスを粘っこく拾う「日本の試合」でした。

この試合の影のMVP、それはタブレット端末。今大会は選手交代などをタブレットで申請するのですが、ギリギリの攻防の中でタイはその操作をミスった。ミスタッチした。そのイライラがレッドカードとなり、日本の得点となった。今大会から導入された新しいシステムは、日本側もほかの試合でミスを生みましたが、日本はそれにキレるようなことはなく、タイはキレた。その大きな差。

全日本女子はいちはやくタブレット端末を導入し、「使いにくいなぁ」「ボタンが小さい」「あー、また下のボタン押しちゃった!キー!」という数々のイライラを耐えてきました。その積み重ねが、大事な試合でこの差を生んだ。タブレットの誤タッチにキレない耐性、という大きな差を。

思い出すのは4年前のロンドン五輪。あのときも日本は「イライラ」で勝利をつかみました。データ分析が当たり前に行なわれるバレー界で、リアルタイムの情報入力・解析は必要不可欠。日本は相手国のデータを狂わせるように、本番直前にきて、ずっと固定だった背番号を変更したのです。今まで13番だった選手を急に5番に変更したりするような嫌がらせで、ライバルにデータベース再入力という手間をかけさせ、精神的に攻撃を仕掛けたのです。

そして、この直前にきてのタブレット端末導入。よもや日本側からの「みんなでタブレットを使いましょう」という嫌がらせ提案ではないでしょうが、今まで使ってきた人と使ってこなかった人の差は途方もなく大きい。本番の緊張の中で、震える指でタブレットを操作するあのイライラ。ライバル国にコレを押しつけることに成功したのは、日本にとって大きなアドバンテージでしょう。

これぞ日本のタブレット・バレーだ!

ということで、「いっそスマホにしてもっとイライラさせよう」という腹案を持ちつつ、18日のTBS中継による「リオ五輪バレーボール世界最終予選 日本VSタイ戦」をチェックしていきましょう。

◆紙?ホワイトボード?プラカード?知らんな、タブレットを使え!

全部勝つ必要はない、しかしこれ以上負けるわけにはいかない。厳しい状況に追い込まれた火の鳥ニッポン。アジア予選という意味では、すでに韓国に敗れた日本にとってタイにもつづけて敗れると、一気に苦しい立場に追い込まれます。緊張感漂う一戦。

とは言え、「タイだろ」という上から見下ろす気持ちはありました。すでに相手は2敗を喫していましたし、いくらアジアの大砲ことJTのオヌマーがいるとはいっても、「高橋みゆきみたいなもんだろ」と思っていた。4年前もキッチリ競り勝ったし、見た感じも小さい。負けるはずがない、と。

しかし、いざ試合が始まると雲行きはたちまちアヤしくなります。日本のスタメンには韓国戦で指を傷めた木村沙織の姿はなく石井優希が入りますが、日本は石井をサーブで狙われるとサーブレシーブの部分が上手くいかない場面が。序盤で連続得点を許し、最初のテクニカルタイムアウトをタイに取られます。

タイはサーブで崩して、しっかりつないで、しぶとく反撃してくる日本のようなチーム。ブロックの上からズドンと打ってくるようなことこそないものの、簡単に決めさせてくれることもありません。2度目のテクニカルタイムアウトを逆転で迎えるも16-15と引きつづき僅差の状況がつづきます。

↓タイにも若くてデカくてカワイイのがいるぞ!

ウチの古賀とかもなかなかだが、そちらのアチャラポーンもなかなかやのぉ!

トキメキの国、タイ!

逆転につぐ逆転で第1セットも佳境へ。タイの粘りと、日本の乱れ。トスがやや詰まるような場面が目立ち、ここぞというところでスッキリと決められません。タイが先にセットポイントを握ると、最後は日本のサーブがアウトとなって第1セットを奪われます。終盤にはダメ元覚悟のチャレンジ連打も繰り出した日本ですが、いずれもチャレンジ失敗となり、追い上げは実りませんでした。

つづく第2セット、日本は木村・迫田・山口をスタートから投入し、ベテランの経験と落ち着きで打開を図ります。木村の上手さや、迫田独特のバックアタックなどで日本の圧力が強まりますが、タイもしぶとい。アウトと思ったボールもチャレンジの結果ギリッギリでインにひっくり返るようなこともあり、先にテクニカルタイムアウトを奪われます。

↓日本も負けてはいない!第2セット7-9の場面では、マジカルサオリンの神がかりブロックが飛び出す!


遅れて突っ込んでダメ元で手を出したら、向こうに戻ったwww

本人も「ウヒョー」ってなる奇跡www

Saori [ 木村沙織 ]

価格:1,234円
(2016/5/19 10:37時点)
感想(6件)



このセットも終盤まで競り合いとなりますが、日本は迫田がノッています。右から左から真ん中なから縦横無尽に迫田。そして、このセット終盤の20-18の場面で最終的に日本を勝利に導く重大な局面が訪れます。今大会のチャレンジシステムは、当該のプレーから5秒以内に申請し、1セットにつき2回(成功すれば回数は減らない)を要求できる仕組み。チャレンジイライラ合戦が火蓋を切ったのです。

まず、よくわからないタイミングでタイのチャレンジが行なわれると、タイ側は「チャレンジしてません」の素振り。一方で日本の眞鍋監督は「イエス、チャレンジ!イエス、チャレンジ!」という何言ってるんだかよくわからない英語で「タイのチャレンジを実行しなさい」と詰め寄ります。ここは結果としてタイ有利の判定となりますが、その後も、チャレンジに次ぐチャレンジの応酬。すべてが都合のいい結果にならないまでも「不慣れなチャレンジシステム」での心理的プレッシャーをかけていく日本。タイのヤッチャッタギャング監督もギクシャクした試合の流れに、落ち着かない様子を見せます。

↓よくわからん感じでチャレンジが始まり、眞鍋大暴れ!


タイの選手はタッチネットだと思っていて、タイの監督はポカーンとしてる感じだな!

その後も最後の1点までダメ元でチャレンジを使いまくるチャレンジ合戦!

「クソシステ…」まで言葉が出掛かる泥試合の幕開けだ!

第2セットを辛くも奪った日本ですが、競り合いはまだつづきます。第3セットは序盤の連続失点で0-4という立ち上がり。その差は縮まりそうで縮まらず、8点目、16点目のテクニカルタイムアウトをタイに奪われると終盤は再びチャレンジ合戦に。チャレンジをタイムアウトのように使いながら、流れとポイントを奪い合うような戦い。終盤は迫田一辺倒になったところをブロックにつかまり、タイに第3セットを奪われます。うーん、これは苦しい、崖っぷち。

あとのない第4セット、山口の移動攻撃などが決まって、ようやく日本優位の立ち上がり。この試合はじめて8点でのテクニカルタイムアウトを日本が取りました。順調に得点を積み重ねる日本。しかし、ここで第2セットにつづきチャレンジトラブルが。ラリー中にチャレンジのコールを示すブザーがなり、プレーが中断してしまいます。レフェリーが「アンテナに当たったのではないか」ということでチャレンジを要求したのか、あるいは日本のチャレンジなのか、場内も混沌とするような場面。システムに翻弄される場面が目立つ試合です。

↓第4セット14-10の場面、再びよくわからん感じでチャレンジが始まり、よくわからん感じで終わった!


どの場面で、誰がチャレンジしたのか、まったくわからないwwww

何だこのジジイのナースコールみたいなのwwww

やたらブーブー鳴ってるwwww

リーダーシップ・チャレンジ原書第5版 [ ジェームズ・M.クーゼス ]

価格:3,024円
(2016/5/19 10:39時点)
感想(2件)



2度目のテクニカルタイムアウトも日本が取った第4セット終盤。しかし、タイの猛烈な追い上げによって、同点から一気に逆転まで持っていかれます。19-21。あと4点で負け。選手たちの顔にも険しさが浮かびます。こんなとき日本が頼るのはもちろん大エース・木村沙織。木村は大事な場面で託されたボールを高く、鋭角に突き刺していく。21点目木村、22点目木村、23点目木村、木村沙織の大逆転。勝っているときも負けているときも1点ごとに円陣を組む日本は、手をつないで最後の1点への円陣を組むと、最後はしばらく寝かせておいた迫田!日本、踏みとどまって最終第5セットへ!

さぁ、勝負の最終セット。苦しい場面の連続となったこの試合、最終セットにもっとも苦しい場面が訪れます。タイにブロックポイントを許したり、ネット際の攻防で押し込まれるなど、序盤での連続失点。期待の迫田のスパイクもアウトとなり、気が付けば3-9。15点で決着するファイナルセット、しかもラリーポイント制での6点差。極めて苦しい。負けを覚悟するような大差がついてしまいました。4-9、4-10、5-10…サイドアウトを繰り返すだけで、タイは勝ちに一歩ずつ近づいていきます。

それでも日本、諦めない。5-10からのラリーでは、タイが完全に決まったと思ってぬか喜びをしたところから、粘ってこの1点を拾います。6-10、6-11、相手のブロック決まって6-12、ここまで追い込まれてもまだ諦めない。そして迎えた宮下のサーブ。この試合、決して最高の司令塔ではなかった日本のセッターに、ためこんだ運気が全部流れ込んできます。

7-12からの攻防では、日本がセンターラインを越えたのではないかという場面がありましたが、タイのチャレンジはならず。声を荒げるタイに対して、レフェリーはレッドカードを提示します。ヤッチマッタギャング監督、痛恨のレッドカードで日本に8点目、9点目がつづけて入ります。つづく10点目はこの試合初めてのサービスエースで10-12。タイがタイムアウトを取って流れを変えにくるも、日本も眞鍋監督が宮下ちゃんの肩をセクハラモミモミして主導権を渡さない。

完全に相手の攻撃を読み切ってブロックした12点目、これで同点。さらに温存してきた迫田に合わせてズドンと決めた13点目、ついに逆転。タイの監督はメンバー交代を申請するもタブレットの操作ミスで認められず。ヤッチマッタゼマズイナコリャ監督は、タブレットを相手に大暴れすると、このセット2度目のレッドカードで日本に追加点、これでマッチポイント。まさか、まさか、まさかの展開。信じられないような大逆転勝利、最後に決めたのはロンドン五輪銅を思い出すような渾身の迫田!

↓なんという試合だ!歴史に残る大逆転で、日本オリンピックへ一歩前進!



タイ:「おい、座れ」
監督:「いやだ!」
タイ:「お前のせいで負けたやんけ」
監督:「違う、オレじゃない!」
監督:「何だこのタブレット!」
タイ:「お前の大暴れで2点取られたやんけ」
監督:「ワタクシ、チャレンジします!」
タイ:「チャレンジの前に座れ!」
監督:「タブレットが動きません!キー!」

タブレットでぶん殴りたいだろうなwwww

勝手にキレて2失点する監督とかwwwww

タブレットforビギナーズ(2016)

価格:950円
(2016/5/19 10:40時点)
感想(0件)



もし負けていたらと思うとゾッとしますが、コレも日本バレーの底力。タイの監督も、地元のリラックスムードで試合をしていたなら、あそこまでタブレットやチャレンジシステムにキレることもなかったでしょう。しかし、1点を失うごとにスティックバルーンが連打される超アウェーの空間が、タイの自滅を引き出した。まさに全員の総力を結集した勝利。リオへの暗雲、見事に突破です!

↓よく耐えた!よく勝った!苦しみぬいた宮下ちゃんが最後は日本を救ったぞ!

いけるぞリオ!

よくやったニッポン!

データは知らんが、タブレット操作に関しては日本は世界をリードする!