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ベルギーの独立系半導体ナノエレクトロニクス研究機関であるimecは5月17日(欧州時間)、オランダ国アムステルダムでのQuantum Europe Conference(欧州量子会議)開幕にあわせて、量子コンピュ―ティングに焦点を当てた研究開発を開始すると発表した。

imecは欧州委員会(EC)の「ECSEL(Electronic Components and Systems for European Leadership)プロジェクト」から追加の資金援助をうけて、同キャンパス内の最先端シリコン・プラットフォームを強化し、量子コンピューティングを行うための基本要素となるナノエレクトロニクス(qubit:量子ビット)デバイスの研究開発を進めていくという。

従来のコンピュータの基本素子は、情報量が0か1のいずれかの値しか持ち得ない「ビット(bit)」を扱うのに対して、量子コンピュータでは「量子ビット(qubit)」ごとに0と1の値を任意の割合で重ね合わせて多数保持し、従来型コンピュータでは実現しえない大規模な並列コンピューティングを行う。このようなハードウェアをどのように開発するかが量子コンピュータ実現のカギを握る。

qubitデバイスを実現するために世界中でさまざまな提案がなされているが、imecは、既存の超微細シリコン技術と互換性のある提案がもっとも実現可能性が高いと見ており、qubitデバイスの実現に、自社の誇る世界最先端とも言えるシリコン・プラットフォームを活用する。

imec CTOのJo De Boeck氏は、「imecは最先端の超微細シリコン技術と新興の量子技術を結びつけることに尽力する。いままで物理学の研究室の中にあった量子技術を産業界のサプライチェーンに乗せるために、"imec量子技術プログラム"を通じて世界中の大学や半導体装置メーカーなどとオープンコラボレーションに基づき協業する」とコメントしているほか、「現在、imecではシリコン・プラットフォームで5nmプロセスのためのさまざまな技術を慎重に選別している段階だが、同じプラットフォームが量子デバイスを開発する理想的な基盤になるだろう」とも語っている。

(服部毅)