「モテる男は優しさを求めません。与え続けるのです。」
『世界一難しい恋』略称セカムズの5話に出て来たセリフだ。


「彼女と出会ってから、
女性が喜ぶ優しい嘘を覚え
器の大きい男としてふるまい
ついには告白までなしとげました」
小池栄子演じる秘書の村沖舞子が鮫島社長に語る。
恋愛音痴の社長が、どうにか4話かけて、ようやく「好きだ」と言えたのである。
そして5話。
返事待ちの巻。
「好きな女性のために待つことをマスターすれば
真のモテる男になれます。間違いありません」
「俺はモテる男になれるのか」
「ええ、もう少しです」
あの社長が真のモテる男に!
とはいえ、この直前に「駄々をこねてる」と指摘されて、
「それぐらい言わせてくれたっていいじゃないか」
と椅子に丸く座って、抑揚をつけて叫んでいた。
あいかわらず子供っぽいところのある鮫島社長である。

このドラマの魅力は、やはり大野智くんの駄々こねっぷりだろう。
バリバリのホテル経営の敏腕社長であるにもかかわらず、
恋愛のことになるとジタバタして、駄々をこね、こどもっぽくなる。

「いつまで待たせんだ!」
ってお風呂で、ばしゃばしゃ大暴れ。
小学五年生か!
社長なのに!

このギャップ。
見事に演じきる大野智。
それを支えるためにドラマのすべてが貢献しているといってもいい。

恋愛の相手、柴山美咲を波瑠が演じているのもピッタリだ。
「そうか、わかった。あいつは学級委員だ」
と鮫島社長が気づいたように柴山美咲は優等生っぽい。
NHKの朝ドラの主演、白岡あさを演じた記憶もそれを補強する。
あまりプライベートな素の部分を想像させない。
鮫島社長の意中の相手が、もし、同僚の堀まひろ(清水富美加)をだったらどうだろう?
清水富美加は、素の感じの魅力を出して演じている。
生々しくなってしまう。
だから、堀まひろが恋愛する相手は、16歳年上の白浜部長だ。
演じるは、丸山智己。
モデルとしてデビュー。体格もよくて、顔立ちが少し日本人離れしたイケメン。
どちらの恋愛もカップリングが生々しく描かれない。
だから、観る側は、これをしっかりとコメディとして楽しめる。

運転手の石神と、秘書の村沖。
仕事上は運転手と秘書だが、恋愛に関しては、ほぼ父さん母さんである。
いや、おじいちゃん、おばあちゃんって感じすらする。

そういった配役の中で、大野智くんがのびのび生き生きとやんちゃな恋愛音痴の子供と、敏腕社長を、演じきる。

凝った演出でいいところを見せようとしているのに、柴山美咲は酔っ払った同僚を相手して観てない。
っていうラブコメ展開も、あえてのベタベタだろう。
大枠はベタベタだが、細部はキレッキレだ。
1話で小道具で活躍した牛乳が、5話でも使われる。
牛乳が好きな柴山美咲は、社長のことを考えて牛乳に口をつけないというシーンが前半に登場し、
後半に、1話では牛乳が大嫌いだった鮫島社長が、冷蔵庫から取り出してしっかり飲んでいる、
という対比。
ことさら説明せずに、さりげなく見せる。

そして、ジムでのクライマックス。
街を走る芝山と、ジムの中で走る鮫島社長。
回想。
そして「11.75km」の奇跡。
1話ではられた伏線がしっかりと回収される。
グッときます。
グッとこさせておいて、ラストの大野くんの上下関係が混乱したセリフでまた笑わせる。
いいよねー。

あと、好きな女の子に「頭ぽんぽん」がいいよというのが都市伝説であることがはっきり判るシーンも必見。
凍るよ!
『世界一難しい恋』は、日本テレビで毎週水曜よる10時放送。
日テレ無料TADA!で最新話見逃し配信中。(米光一成 イラスト・鈴木夏希

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