ボルボ車といえば安全性への徹底したこだわりが知られています。2020年までに新しいボルボ車での死者や重傷者をゼロにするという「ビジョン2020」を掲げているのも一例です。

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また、ボルボ車のシートベルトのタングプレート(金具)部には「SINCE 1959」の刻印がされており、3点式シートベルトを乗用車に初めて搭載(特許を開放したボルボらしいこだわりが感じられます。

チャイルドシートへのこだわりも強く、1972年にはボルボ初の後ろ向きチャイルドシートを開発したのを皮切りに、1976年には世界初のチャイルド・クッション1978年には車内設置型チャイルド・クッション、1990年にはリヤシート中央部に内蔵される初のインテグレーテッド・チャイルド・クッションを開発しています。

今回、1960年代初頭から自動車メーカーとして初めてチャイルドシートの衝突試験を行ってきたボルボが新しいチャイルドシートを発売します。これも「ビジョン2020」達成に欠かせないピースのひとつなのでしょう。

チャイルドセーフティのパイオニアを自認するボルボでは、チャイルドシートの開発、保護者に向けた分かりやすい装着方法と正しい使用方法についてのマニュアルの提供など、子どもの安全を考えた積極的な取り組みを行ってきたこともあります。

実際に日本でもチャイルドシートに多いのが取付方法が正しくないミスユースが多く、JAFの調査によると装着されているチャイルドシートのうち、約64%が装着方法に問題があったというケースもあったそうです。

ボルボセーフティセンターでシニアテクニカルリーダーを務めるロッタ・ヤコブソン博士も

「車内での子どもの安全は、多くの人にとって複雑で気がつきにくい問題です。ボルボは長年にわたり、チャイルドシートの必要性や正しい装着方法に関するガイドラインを提供してきました」

と語っています。

さらに

「少なくとも3〜4歳までは、子どもを後ろ向きに座らせる必要があり、身長140cmまでは、チャイルドシートやブースタークッションが必須となります。後ろ向きシートの安全性については疑問の余地がないのですが、多くの保護者が早い時期から子どもを前向きに座らせてしまっていますが、その理由のひとつに挙げられるのが快適性の問題。足もとのスペースが十分でないために子どもがぐずったり、チャイルドシートの生地が蒸れて暑がったりするためです」

とロッタ・ヤコブソン博士は説明しています。

驚きのコメントですが、確かに日本で3〜4歳まで後ろ向きに座らせている人はほとんどいないのではないでしょうか?

そこで、ボルボの新型チャイルドシートは、通気性と快適性に優れたウール80%の生地を採用することで滑らかな手触りと優れた耐久性を実現し、気温に左右されず高い性能を発揮するそうです。さらにデザインもスリム化され、足もとのスペースを広げて快適性を向上。

「ボルボの新しい後ろ向きチャイルドシートは、高い快適性を提供するとともに、子どもを長時間後ろ向きに座らせ続けることへの抵抗感を減らす」としています。今回発売されるチャイルドシートは、月齢や体重別に設定されています。

●新生児用シート:後ろ向き(体重13 kg以下、または生後9カ月まで)
●チャイルドシート:後ろ向き(生後9カ月から6歳まで。3〜4歳まで使用することを推奨)
●ブースターシート:前向き(後ろ向きシートには大きすぎる3〜10歳向け)

なお、今回の新型チャイルドシートは、世界有数のチャイルドシートメーカーBritax-Romer(ブリタックス・レーマー)社とともに開発されたもので、ボルボ・セーフティ・センター(スウェーデン・ヨーテボリ)で試験され、日本には2016年後半より発売される予定です。

(塚田勝弘)

3〜4歳までは「後ろ向き」に座らせる必要がある!? ボルボが新しいチャイルドシートを発売(http://clicccar.com/2016/05/18/372508/)