1著者撮影

ラウンドアバウト!

といきなり言われても、なんだそれ?って話ですよね。
日本では馴染みの薄いものですが、「ロータリー」と言えばイメージが浮かぶかも。

いわゆる、「環状交差点」。
三本以上の道路が、円形のスペースを介して接続されたものです。

 



ラウンドアバウトの数々。

かつて半世紀以上に渡ってフランスが統治していた影響によるものか、ベトナム・ホーチミン市の街中には各所にラウンドアバウトが配置されています。地図をご覧になると分かりますが、四本以上の大きな道路が交差する場所には◯が押されたようになっている。ここがラウンドアバウトです。



ベトナムのフランス文化といえば、最近日本でも人気が高まっているバインミー(バケットサンドウィッチ)、それにオペラハウスに見られるようなコロニアル様式の建築があります。本コラムで最初に紹介したセメントタイルもまたフランス文化ですよね。

著者撮影

はい、セメントタイルでございます。

 
その中でラウンドアバウトは、「最も身近」なものと呼べるのかもしれません。

と、いうのも!

著者撮影

街中を歩いていると、しばしば立ちはだかってくるから…!

 
ホーチミンは年中暑く、あとは雨が降るか降らないかというくらいなので、徒歩という移動手段はあまりオススメできません。しかし、タクシーの運転手の一部には騙そうとする輩がいるということもまた事実。

そのあたりはUberといった配車アプリなどの最新テクノロジーを駆使すればどうともでもして安心を得られるのですが、頑張って歩いてみようというケースは多いにあると思います。実際、それでこそ見える楽しみもありますからね。

それに、ラウンドアバウトって見ているだけで結構楽しいんですよ。立ちはだかってくる理由そのものとも言えますが、ガッチリ固まったバイクがうずを巻いている光景なんて、まるで水族館にあるようなイワシの大渦そのものです。これだけのもの、ベトナムをおいてそうそう見られるものではありません(多分)。



参考になるかどうか分からない参考画像(イワシの大渦)。

 
そこで今回は、ホーチミン市内でも私が選りすぐった、「交通量の多いラウンドアバウト」をご紹介します!スポットとしての(中心地からの)行きやすさ、イワシの大渦っぷり、渡りやすさ、これら3つを5段階で評価してみました。胸を張って役には立たないと断言します。

 
余談ですが、今回は帰宅ラッシュの写真を撮り収めるために、夕方〜夜の時間帯に撮影しております。みるみるうちに暗くなって見づらくなるけど、堪忍してね!そして最後には、頼まれてもないのに撮ってみた360度パノラマ動画を置いてあります。これはこれですごいよ。

 

ラウンドアバウト1:ベンタイン市場南


著者撮影

行きやすさ :★★★★★
イワシっぷり:★★☆☆☆
渡りやすさ :★★★★☆


ここは市内最大の観光スポット、ベンタイン市場を南に出るとすぐあります。
中心地の中心地なので、一般的な観光コースを歩いていれば目にしているはず。

ずっと前に、30分間にここを走るバイクの台数を数えるというトチ狂った企画を別のウェブサイトで行ったのですが、結果は4092台でした。あれは昼下がりだったから、このピークタイムなら倍はいくでしょう。

かなり広々とした場所であり、またベトナムでの横断に慣れない観光客も多いので、ここを走るバイクや車はいつもよりも注意深くなってくれています。迫ってくる車両への恐怖心さえ克服すれば、渡る行為そのものは難しくないと言えるでしょう。

・場所の詳細はこちら (https://goo.gl/maps/aQrqiLNJCAP2)

 

ラウンドアバウト2:ホテル・ニューワールドそば




行きやすさ :★★★★☆
イワシっぷり:★★★☆☆
渡りやすさ :★★★☆☆

ベンタイン市場南から、掛かっても10分も歩けばたどり着けるでしょう。ここも交通の要所ですが、観光エリアとしてはギリギリ端の方と言えます。ただ、周辺にはおいしいバインミー店「Banh Mi Huynh Hoa (http://tripping.jp/asean/vietnam/ho-chi-minh/7568) 」があるので、そこを目的とするなら必ず通らねばならぬ道です。

といっても、円に沿って周る要領で横断歩道を地道に渡ればたどり着けます。間違っても、ショートカットだからと言って中心に向かって歩かないようにしましょう。洒落にならない結末を迎えます!

・場所の詳細はこちら (https://goo.gl/maps/MpDnKBdQck22)

 

ラウンドアバウト3:マクドナルド一号店そば




行きやすさ :★★★★☆
イワシっぷり:★★★☆☆
渡りやすさ :★★☆☆☆

ここは、距離としてはホテル・ニューワールドそばより中心地から離れているのですが、「マクドナルド、ディエンビエンフー(通り名)」とでも伝えればまず間違いなくここしかないので、タクシーなどで行く分には行きやすさは同じくらいとしました。



ただし徒歩だとマクドナルドへたどり着くにはかなり面倒。

1区のお隣のビンタン区へと続く道なので、かなりの交通量を誇っているのですが、同時にかなりの広さもあるのでそれほど車両は密集しておりません。ちょうど、マクドナルドの二階席からラウンドアバウトを見渡せるはず。ベトナム料理って訳じゃないけれど、一服するにはある意味では絶好のポイントと言えます。

・場所の詳細はこちら (https://goo.gl/maps/pN4pn9uiSwC2)

 

ラウンドアバウト4:Cach Mang Thang Tam × Vo Thi Sau


著者撮影

行きやすさ :★★☆☆☆
イワシっぷり:★★★★★
渡りやすさ :★☆☆☆☆

はい、出ました、鬼レベルです。ラウンドアバウトで渋滞らしい渋滞に遭ったことはここでしかありません、というよりもピークタイムは必ず混んでいます。そもそも渋滞を解消するためのラウンドアバウトなのに何故かえって増長(?)しているのか。

著者撮影

渋滞の停止状態で撮影してみました、絶対に真似しないでください。

観光旅行者としての立場であれば、ほぼ用の無い場所です。用があるとすれば、それこそ夕方の渋滞は見ものですよ、というところ。本当はもっと撮影したいところだったのだけど、今死にたくもないので諦めました。手が四本あるといいんですけどねー。

・場所の詳細はこちら (https://goo.gl/maps/SRDUXDModAx)

 

ホーチミンへお越しの際は是非、「ラウンドアバウト」見学を!


渋滞が起こる理由を真面目に考えたのですが、そもそもラウンドアバウトは「環状道路上にいる車両の邪魔をしない」という譲り合いの精神を前提としており、「我先に」という節のあるベトナムの国民性とは相性が悪いのでは…と、思いました。渋滞が解消されるとき、それはベトナム人の多くが譲り合いの精神を持てたときなのかもしれません。または、みんながバイクに乗らなくなったときです。

 
いかがでしたでしょうか?ラウンドアバウト。

本当はもっとあるし、中心の円形スペースには歴史上の偉人の銅像があったりと見どころはたくさんあるのですが、今回はイワシの大群っぷりがテーマということで省略します。もしまた同じテーマで紹介する機会があれば、そのときにでも!

また、見学する分には良いけど、安易な横断行為はオススメしません。どうしても渡らないといけないときは現地の人についていく、これ鉄則です。



これはiPhoneのパノラマ機能で撮った写真ですが、運転者がダブって、完全に百鬼夜行でした。

360度パノラマカメラで撮った動画も置いておきます。
マウスでグリグリ動かしてくださいね〜。

Roundabout in Hochiminh city. - Spherical Image - RICOH THETA (https://theta360.com/m/fSpMyBZbqwf9Er9D3xaNeMS2e)



 
(text & Photo:ネルソン水嶋)

 
ネルソン水嶋の「勝手にベトナム観光開発局」
他の記事を読む> (http://tripping.jp/author/88)