「中高年男性にとって、キスは大事な行為。キスの持つ“魔力”がEDを治してくれることもあるんです」
 こう語るのは『脳で感じるセックス入門』などの著作がある、弘邦医院・院長のドクター林氏だ。
 皆さんはキス好きだろうか。男性には「キスなんて面倒くさい」という方も少なくないが、ED解消に役立つと聞けば考え方も変わる!?

 まずはキスの持つ魔力から説明してもらおう。
 「男女ともキスをしている時、『オキシトシン』と呼ばれる発情ホルモンが分泌されるんです。このオキシトシンは、故意による詐欺に引っかかる確率が高くなる、と言われるほど、他人と積極的にかかわり、相手を信頼し、求め合うことを脳に促す“誘惑のホルモン”でもあるのです」

 キスをすれば、男女の間で信頼感が強まる--それは気のせいではなく、元々、人間はそういう生き物なのだ。女性の中にはキス好きが多いことも、ここから説明がつく。
 「女性は相手の男性に対して“安心感”を持っていないと、性感も高まらないんです。緊張や不安は感度を鈍らせるんですね。だから、女性はキスをして、まず相手のことを心から信じたいのです」
 女性にとって「キスは前戯の一つ」とは、まさにこのことなのだ。

 さて、ここからが本題。
 なぜED解消にキスが役立つのか。
 「EDに陥るケースの8割が、緊張や不安によるもの。“勃起しなかったら、どうしよう”といった不安もあれば、久々のセックスではカッコよく決めようと緊張もしてしまう。こうした精神的な理由が勃起不全を招くのです。逆にリラックスした状態に入れば体内の血行もよくなり、勃起力も高まるのです」

 お分かりだろうか。ED患者が一番大事なのは「リラックス」すること。すなわちパートナーと信頼関係を築くことなのだ。
 「事実、EDに悩んでいる患者さんの中には『なんとか勃起しよう』と、あまりにも気合を入れ過ぎる人が多い。ところが『勃起しなくても大丈夫』と考え方を変えた途端、アッチも元気になったというケースも多いのです」

 むろん、頭では分かっていても、そう簡単に相手を信頼して、恥も見栄も捨てることは難しい。
 だが、キス時に分泌される「オキシトシン」を利用すれば、どんなに石頭の堅物人間でもその時間は、相手を信頼しやすくなるのだ。
 「とはいえ、数分のキス程度ではオキシトシンも分泌されません。脳内をオキシトシンでいっぱいにさせるには、10分以上のキスが必要です」

 ええ!? ずいぶん長いと思うなかれ。
 「最初のキスに10分以上かけなくても構わないのです。性行為中に、時々、キスを間に挟むようにしていればOK。とくに中折れしやすい方は挿入時、動きを止めてキスすることをオススメします」

 キスを合間に挟んでいけば、結果的に濃厚な性行為となって、女性からも喜ばれやすい。
 「医学的に言えば、愛の言葉を囁いたり言葉責めをしたりするより、キスで唇をふさいでいたほうが、よっぽど精力的にセックスを楽しめますよ」

 今一度、若かりし頃に戻ってキスのすばらしさを知ろう!

ドクター林
弘邦医院(東京・江戸川区)院長。『脳で感じるセックス入門』や『お医者さまが教える癒されてもっと気持ちよくなる!』など著書も多数。ED治療にも精通しており、現在、同医院では局部海綿体注入法による「ICI治療」も行っている。