歯磨きはサボらず、ていねいに

写真拡大

【あさイチ】(NHK) 2016年5月9日放送「口内フローラが歯周病を防ぐ」


近年「腸内フローラ」が注目されている。腸の中に1000兆個ともいわれる細菌が集まっている様子を指すが、実は口の中にも同じような環境がつくられているそうだ。

約700種類、100億個の細菌からなる「口内フローラ」。なかには善玉、悪玉の菌があり、バランスが崩れると歯周病や、さらに命を脅かす病気につながる恐れがある。

虫歯菌の特定遺伝子が血管に入り込むと...

口内フローラの乱れが、体にどんなリスクをもたらすのか。日本大学特任教授の落合邦康氏が解説した。

1つ目が、直接菌が原因となる場合。歯の炎症部分から菌が血管に侵入する。2つ目は、歯周病により炎症を起こしている歯周組織から持続的に供給される炎症物質「炎症性サイトカイン」が血管に流れ込む場合だ。いずれも、血液に乗って全身に流れ、心臓病や糖尿病の危険性を高める。これらを防ぐには免疫力を十分に保つのが効果的だが、免疫力は加齢により落ちていく。

落合氏「40歳以降から、相当気をつけていただきたい」

特に厄介な菌は、「ミュータンス菌(虫歯菌)」の1割が持っている「cnm遺伝子」だ。出血の確率が5〜6倍高まるうえ、出血が止まらない危険性が高まる。脳の毛細血管から出血すれば、大きな出血につながり一大事になる恐れも。さらに鶴見大歯学部の花田信弘教授によると、cnm遺伝子のない「残り9割」の虫歯菌でも、血液中に入れば、脳出血以外の病気リスクがあると指摘した。

そこで重要なのが口腔ケアだ。怠ると、細菌性肺炎や細菌性心内膜炎といった、プラーク(歯垢)形成菌や歯周病菌が原因となる疾患や、糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞、早産・低体重児出産と歯周病菌が誘因となる疾患の恐れがある。血管は「テニスコート6面分」あるとされる巨大な「臓器」で、歯周病菌が血管のどこに障害をつくるかは予測できないと花田教授。

司会の有働由美子アナ「歯周病が軽い人でも病気につながることはあるのですか」
花田教授「発症を放っておくと血管が露出してしまい、口内に100億個あるとされる菌が体内に入ってしまいます。

100億個の中には、人体に悪影響を与える菌が含まれる。歯周病予防は「待ったなし」だ。

歯磨きしても汚れを落としきれていないかも

実は日本人の成人のほとんどが、歯周病菌を持っている。歯磨きならぬ「舌磨き」ができていないのが一因で、専用の「舌ブラシ」を使って磨くとよい。

歯磨き自体も、歯と歯の間のプラーク(歯垢)が取り除ききれていない人が多い。磨き残しがあると、口内フローラのバランスが崩れてしまう。特に糖がたくさんあると、細菌の増殖が非常に早まり、1週間で歯にこびりつく。血液中に菌が侵入するまでに3週間だ。そこまで長い期間歯磨きをしない人はまずいないだろうが、歯の間の汚れが落としきれずずっと残留しているケースはあり得るだろう。

花田教授が勧める歯の磨き方は、歯の間に歯ブラシの毛先をきちんと入れてふるわせるようにして、プラークを除去するやり方だ。歯ブラシを持つ際は、鉛筆を握る時と同じくらいの力を心掛ける。デンタルフロスを使う場合は、歯周ポケットまで入れて良い。

番組では、以下の「口内フローラを守る6か条を紹介した。ぜひ守ってほしい。

(1) 寝る前の歯磨きは念入りに
 (2) 歯周ポケットを磨く
 (3) 過度な睡眠不足は禁物
 (4) 口呼吸はNG!
 (5) ビタミンDとビタミンAをとる
 (6) 食事はよくかむ