再生した歌詞を自動でモーショングラフィックにするテクノロジーを搭載したスピーカー。6月15日(水)10時30分から、伊勢丹新宿本店をはじめ、三越日本橋本店、三越銀座店でオーダー受付

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どうも、NATSUです。街を歩けば、多くの人々が歩きながら音楽を楽しんでいるのを目にする。デジタル配信の普及によって、昨今、音楽はいっそう身近なものになった。が、楽曲をひとつの作品と捉える音楽ファンの中には、一抹の寂しさを感じている人も少なくないのでは?

【写真を見る】目で歌詞をじっくり味わいながら、耳で名曲を聴く、という新しい体験が待っている!

それは「歌詞」である。以前はレコードやCDを買うと、歌詞カードがついていたり、ジャケットの裏側に歌詞が書かれていたりしたもの。耳で曲を楽しみながら、歌詞を一言一句味わうように読んでいく。これも音楽の醍醐味のひとつだった。ただ、デジタル配信が主流になりつつある現代では、歌詞を楽しむ手段や機会は減少する一方だ。

そんな現代のミュージックライフに一石を投じるのが、日本のクリエイティブ集団、SIXが開発した「リリック・スピーカー」である。

仕組みはこう。モバイル端末で音楽を再生すると、スピーカーが自動で歌詞をデータベースから取得する。そして歌詞のムードに合わせてオリジナルのモーショングラフィックをつくり出し、本体の透過型スクリーンに映し出すのだ。

筆者も実際に視聴したが、ザ・ビートルズの「ヘイ・ジュード」のような曲なら、フォントや動きも優しい雰囲気になり、エミネムの「Lose Yourself」のようなラップなら、力強いフォントがエネルギッシュに躍動する。

聞き慣れた名曲も歌詞を見ながら聴くと新鮮に感じるし、アーティストが曲に込めた思いを深く感じることができる。英語の歌詞はもちろん、日本語にも対応している。この再生した歌詞を自動でモーショングラフィックにする技術を搭載したスピーカーは世界初だという。

■ アメリカでも注目を集める創造性に溢れた新体験スピーカー!

ちなみにリリック・スピーカーは、2014年にアメリカ・テキサス州でおこなわれた世界最大級のテクノロジーと音楽のカンファレンス「サウス・バイ・サウスウエスト」において、アジア初のベスト・ブーストラップ・カンパニーを受賞したこともあって、アメリカでも注目を集めている。この賞は目立った出資を受けていないにもかかわらず、もっとも創造性と可能性に溢れ、今後飛躍を遂げると思われるチームに与えられる賞である。

そんな世紀のスピーカーを、三越伊勢丹が世界に先がけて販売することに。価格は30万円台。だが、目で歌詞をじっくり味わいながら、耳で名曲を聴く、という体験は、音楽を愛する者にとって文字通りプライスレスの価値がある。【東京ウォーカー/取材・文=NATSU】