いずれも漢字を用いる日本語と中国語との決定的な差は、「かな」の有無。大陸や台湾の人は、漢字の中に「かな」が混じっていれば、意味が分からなくても「あ、日本語だ」と認識する。その中でも一番よく知られているのが「の」だ。この文字さえあればどんな中国語も「日本語」に見えてしまうのである。(イメージ写真提供:123RF)

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 いずれも漢字を用いる日本語と中国語との決定的な差は、「かな」の有無。大陸や台湾の人は、漢字の中に「かな」が混じっていれば、意味が分からなくても「あ、日本語だ」と認識する。その中でも一番よく知られているのが「の」だ。この文字さえあればどんな中国語も「日本語」に見えてしまうのである。

 台湾メディア・聯合新聞網は13日、れっきとした台湾製品なのにパッケージ上の表記に「の」を加えることで、いかにも日本製品らしく見せる風潮が台湾に存在し、ネット上では「正直、狂っていると思う」との声が出ていることを報じた。

 記事は、台湾人が日本製品を好んで購入することに付け込み、「明らかに台湾出身である多くのブランドが、包装上で日本語を記載することでその価値を高めようとしている」と説明。最近も、台湾のあるスイーツ店が出した広告にその特徴が見られたことでネット上で議論が巻き起こったと紹介した。

 槍玉に挙げられたのは、「夏日の芒果」(夏の日のマンゴー)というキャッチコピーがついたマンゴークレープの広告。「台南の芒果、其果実の味道と甜味絶妙、食味は極めて濃厚、毎一口留有餘香、全然味覚の最高享受」というのが宣伝文句だ。日本語としてまあしっくり来るのは「食味は極めて濃厚」ぐらいで、あとは中国語に無理やり「の」や「と」を押し込んだ「かな混じり中国語」である。

 記事は、この広告が確かに台中にある「日本式クレープ店」のものであると説明したうえで、地元のネットユーザーから「日本語ができない私でも完全に分かる」、「中国語にやたら『の』を加えただけじゃないか」、「日本人に見られたら恥ずかしくないのか」といった意見が出たことを伝えている。そして「ああ・・・台湾人は日本の商品を買うのが好きだけれども、何でもかんでも日本語を付ければいいってもんでもないぞ」と評した。

 大陸や香港、台湾を旅行すると必ずと言っていいほど「この手のもの」に遭遇し、帰国後の格好の土産話となる。大陸では10年以上前に「鮮の毎日C」という果汁入り飲料が発売され、人気を集めたという「成功例」がある。一方、全く意味の通じない、あるいは「かな」の形すらおかしい「日本語」を並べたパッケージも多分に存在し、日本人としては「これだけで日本製品っぽく見られてしまうのか」と衝撃を受けるのだ。

 「日本」というブランドが力を持ち続ける限り、これからも「トンデモ日本語」な広告や包装はどんどん出続けることだろう。「日本」を好いてもらえる嬉しさ、正しくない日本語に対する複雑な気持ちとともに、今度はどんな「ヘンな日本語」が出てくるかという期待感も持ってしまうのである。 (編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)