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自動運転車や車両間通信(V2V)、車両インフラ間通信(V2I)などが話題になり、さまざまな車載電子システムの需要が増している。高級車向けにすでに採用されている電子技術が、中級車やロ―エンド車にまで普及してきている一方、新たな電子システムが近年、続々と搭載されるのを目の当たりにし、多くの人はグローバルな電子システム市場の中で、車載電子システムの占有率がさぞかし上昇しているだろうと思うかもしれない。しかし、実際はそうなっていない。それはなぜか?

半導体市場調査企業である米IC Insightsが発表した資料によると、2015年の世界電子システム市場(総額1兆4200億ドル規模)の中で、車載エレクトロニクス分野はわずか8.9%しか占めていない。2014年の8.6%から0.3%の増加に留まっており、2019年になっても9.4%と、2桁の大台には乗らない見込みである。

さまざまな新しい電子システムが新型自動車に搭載されているにもかかわらず、車載電子システムおよびそれに搭載されるICの価格値引きの圧力で、2019年に至るまで、伸び悩むと同レポートでは予測されている。

図1に、3大車載IC市場(アナログ、MCU、特殊用途向けロジック)の4半期ごとの市場動向を示す。3分野とも平均販売価格(ASP)が下がり続けているため、市場拡大が果たせずにいる。ASP低下により、2015年の車載IC市場は前年比3%減となる205億ドル規模に留まった。同レポートの予測では2016年に4.9%増となる215億ドルに達するが、これは、米国でバックアップ(後方)カメラが新車に義務化されることを前提にした数字である。

車載IC市場は2014年の211億ドルから年平均5.8%で成長し、2019年には280億ドルに達する見込みであり、2009年の不況時(106憶ドル)と比べると2.6倍ほどに成長する予測である。

アナログICおよびMCUは、2015年の車載IC市場(205億ドル)の74%を占めているが、自動車のさらなるスマート化に向け、インターネットへの接続などに向け、メモリやストレージの需要が上昇している。そのため、DRAMとフラッシュメモリの車載向け市場は十分読み切れない面があるものの、2019年には車載IC市場の12.0%を占めるまでに成長することが予測されるという。

(服部毅)