2010年9月、尖閣諸島(中国名:釣魚島)での中国漁船衝突事件に端を発し、中国は事実上の報復措置としてレアアースの対日輸出規制を行った。規制によってレアアース価格は一時的に高騰したが、その後は暴落して現在に至っている。(イメージ写真提供:123RF)

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 2010年9月、尖閣諸島(中国名:釣魚島)での中国漁船衝突事件に端を発し、中国は事実上の報復措置としてレアアースの対日輸出規制を行った。規制によってレアアース価格は一時的に高騰したが、その後は暴落して現在に至っている。

 事実上の輸出規制に対し、中国は「環境保護と国家安全保障を考慮」して行ったと説明した。この規制に対し、米国、EU、日本が世界貿易機関(WTO)に協定違反だと訴え、中国は敗訴した。中国メディアの今日頭条はこのほど、中国のレアアース市場に対して日本が圧力をかけていると主張する記事を掲載した。

 かつて中国のトウ小平が「中東には石油がある、中国にはレアアースがある」と述べたとおり、中国はレアアースを非常に重要な資源と捉えてきた。そして中国は世界のレアアース生産量の大半を占めるレアアース大国だ。

 記事は、「日本や欧米諸国は中国が輸出規制を行ったことを激しく非難した」と指摘するとともに、「日米欧は中国にレアアースを安く売るよう圧力をかけつつ、自らはしっかりとレアアースを備蓄している」と批判。さらに、中国がレアアースの輸出規制を行ったのは、国家安全保障と環境を考慮した結果と主張する一方、レアアースの生産大国でありながらも、今なお価格決定権を持たないことに憤慨した。

 以前は中国以外にもレアアースを採掘、生産する国はいくつか存在したが、価格競争に負けて閉鎖に追い込まれた。中国がレアアース生産で圧倒的なシェアを確保する一方で、中国が輸出規制を行ったことでレアアース価格は高騰。先進国は中国依存の危険性を認識し、中国以外の国からレアアースを調達できるよう努力した。さらに、技術開発でレアアースのリサイクル技術やレアアース不要の製品を開発した。企業や国の努力が実り、レアアースの価格は下落、中国は自分で自分の首を絞める結果となった。

 記事は「日米欧が中国にレアアースを安く売るよう圧力をかけている」、「日米欧は大量にレアアースを備蓄している」などと批判を展開している。中国が世界中にレアアースを供給しているのに価格決定権がないと不満な気持ちも理解できるが、レアアースの輸出規制を行ったという前例があるうえ、電気自動車用モーターや携帯電話、LEDなど、レアアースが今なおハイテク製品にとって欠かせない資源である以上、備蓄を行うのは当然のことと言えるだろう。(編集担当:村山健二) (イメージ写真提供:123RF)