休日の運動で月曜日ぐったり?! スポーツの疲れを残さない為の4箇条

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執筆者:山本 ともよ(管理栄養士)


健康を考えて、休日にスポーツをしている方も多くいるでしょう。「身体のためにスポーツをしたはずが、月曜日にはグッタリ・・・」ということはありませんか?そこで、スポーツの疲れを残さないための4箇条をご紹介します。

(1)準備運動を入念に行う

急に身体に負荷をかけることは怪我につながります。とくに、平日に身体を動かす機会が少ない方は入念に行いましょう。
これまでは、ストレッチが主流でしたが、単なるストレッチにはマイナスの効果もあるという指摘もあって、むしろ筋肉の機能を低下させるという報告もあります。

準備運動は、身体を温め、筋肉や神経を目覚めさせることが目的です。例えば、足を使うスポーツであれば「軽くその場でジャンプや足踏み」など、腕を使うスポーツであれば「腕を前後に回し、肩甲骨を動かす」などが準備運動になります。

(2)適度な運動量を心がける

日頃の運動量をカバーしようと、過度な運動をするのはNG。

ちょうどいい運動量には個人差がありますが、健康のために必要な1週間の運動量の目安は、日常生活で30分程度の歩行、それに加え、週に1回は、速足でのウォーキングなら60分程、軽いジョギングなら40分程行うことが推奨されています。
平日の運動量が少ない場合には、休日で補うよりも、小分けでもいいので平日に運動量を増やすことを心がけましょう。休日にこれ以上の運動をする場合には、平日での基礎作りも増やして、全体の運動量を増やすようにするのがいいでしょう。

(3)生活時間をととのえる

人が感じる疲労感は、運動量だけによるものではありません。それに加えて、睡眠時間や食事時間、食事内容、精神的なストレスなどのさまざまな要因が合わさって「疲労」と感じます。

生活時間の乱れは、自律神経のバランスを崩し、疲労を感じやすくします。休日も、できるだけ平日と同じ生活時間で過ごし、運動は平日に仕事で活動している時間帯に取り入れるようにしましょう。
「休日はたくさん寝たい」という方は、遅くまで寝るのではなく、昼寝をして睡眠時間を補いましょう。

(4)疲労回復のための栄養補給

疲労は、活性酸素による酸化ストレスで細胞がダメージを受けた状態です。スポーツ後の疲労回復には、バランスのとれた食事に加え、ダメージを受けた細胞を修復するための栄養素が必要になります。疲労回復に役立つ栄養素を紹介しましょう。

ビタミンB群(豚肉、卵黄、大豆、玄米など)


ダメージを受けた細胞を修復するためには、エネルギー源が必要です。このエネルギー源を作るのに、ビタミンB群が欠かせません。

クエン酸(梅干し、柑橘類など)


エネルギーを作り出すサイクルを活性化するのに、クエン酸が役立ちます。ビタミンB群と一緒に摂ることで、効果が高まります。

イミダゾールジペプチド(鶏胸肉、マグロ、カツオ、クジラなど)


特定の動物の筋肉中で作られる物質の総称で、代表的な成分として、クジラに含まれるバレニンが挙げられ、その疲労回復効果が注目されています。活性酸素による酸化ダメージの修復を助けたり、ダメージを抑制する予防的な働きもあります。ただ、クジラの場合は手に入れることが難しいということもあるため、その筋肉成分を含んだサプリメントを摂ることも有効です。


疲れを残さないためには、スポーツだけでなく、生活時間や食事などを併せて見直すことが大切です。「スポーツはしたいけど、疲れが残るから・・・」と躊躇している方は、この4箇条を取り入れてみてはいかがですか?


<執筆者プロフィール>
山本ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士、サプリメントアドバイザー、食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中