新幹線と中国高速鉄道が東南アジアを中心に高速鉄道市場の受注競争を繰り広げているのは周知のとおりだ。インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画は中国が受注したが、インドやタイでは新幹線導入の確度が非常に高くなっており、互角の争いを展開していると言って良いだろう。(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)

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 新幹線と中国高速鉄道が東南アジアを中心に高速鉄道市場の受注競争を繰り広げているのは周知のとおりだ。インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画は中国が受注したが、インドやタイでは新幹線導入の確度が非常に高くなっており、互角の争いを展開していると言って良いだろう。

 受注競争は互角だと仮定しても、新幹線と中国高速鉄道は実際にどちらが優れているのだろうか。中国メディアの酷飯網はこのほど、「新幹線と中国高速鉄道のどちらに乗りたいと思うか」と題して、新幹線と中国高速鉄道を様々な観点から比較する記事を掲載した。

 記事は、技術やコスト、サービス、飲食といったさまざまな点から日中両国の高速鉄道を比較。まず技術については、細かい技術を論じるのではなく、中国国内における高速鉄道網の規模が圧倒的に日本を上回っている現状を指摘、大きな規模で運行がなされていながらも近年は事故が起きていないことは技術の高さを示すものだと論じた。

 一方、新幹線は脱線や衝突による死亡事故は一度も起こしていないうえ、ダイヤに極めて正確に運行することができる。こうした安全性と信頼性の高さは中国高速鉄道が敵わないものであり、大量の利用客を輸送する公共交通機関としての新幹線の大きな強みと言える。中国高速鉄道のコストの安さは広く知られているが、技術的には新幹線のほうがより成熟し、信頼性が高いと言えるだろう。

 また、公共交通機関としてはサービスの質も重要となるが、新幹線車内の清掃スタッフが欧米から高く称賛されたことからも分かるとおり、新幹線のサービスのほうが中国高速鉄道に比べて圧倒的に高品質と言える。また、中国でも近年は中国高速鉄道の弁当が「価格の割に質が悪すぎる」と批判の対象となっているように、サービスという点で新幹線が圧倒しているという点に異論のある人はいないだろう。

 中国は自国の高速鉄道に対して、「速度、技術面ではもはや世界一」であるなどと主張する声が存在するものの、実際には新幹線と中国高速鉄道はそれぞれに「一長一短」があると言える。各国で中国高速鉄道と受注競争を繰り広げるうえでは、新幹線の強みだけを主張するのではなく、あくまでも相手国のニーズに合わせた売り込み方が必要となるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)