Q:夜、繁華街の立ち飲みではしご酒をするのが楽しみです。しかし、お酒にはトラブルもつきもので、危ない目に遭いそうになることがあります。健康増進を兼ねた護身術があれば教えてください。
(42歳・自営業)

 A:はしご酒が好きな私は最近、システマというロシア武術を始めました。これは護身術にはもってこいです。
 相手に攻撃されたら、相手の動きを受け入れて、自身が崩れないように姿勢を整えますが、それによって逆に相手が崩れていくのです。相手は、自分から倒れていったような感覚です。

●自律神経安定の効用も
 システマの上級者になると、相手からの攻撃に力で対することはないので、相手の攻撃が止むとそれ以上の喧嘩にはなりません。
 相手が熱くなっても、こちらは熱くならないので、相手も最小限のダメージしか受けず、それで収まる可能性が高いのです。ただし、ダガーナイフを用いたワークもあり、万一の状況にも備えられます。
 以上のことは、肉体の接触を伴うことに限りません。私たちは言葉にも反応します。ひどいことを言われると、その言葉をまともに受け、ムッとするもの。それがシステマを習得すると、反射的に即応せず、一呼吸おいて冷静に対応できるようになります。
 落ち着いて対応できることには独自の呼吸法を取り入れていることが関係しています。鼻から息を小刻みに連続で吸い、吐くときも吸ったときと同じ回数で小刻みに吐きます。
 この呼吸法で心身の鍛練をすると、どういう状況でも自律神経のバランスを一定に保って、自身や相手を客観視でき状況が好転します。恐怖を感じても息を止めず、常に心身をよい状態に保てます。
 基礎練習は重要で、呼吸法を行いながら、背中のどこにも緊張なく腕立て伏せをします。また、立った姿勢から地面に倒れる際、肩の背中側から呼吸法を用いて回転してから立ち上がれば痛くありません。体力や柔軟性も身につきます。
 大阪や東京で、護身術としてのシステマの練習会が開かれているようです。ネットで調べ、参加してみてください。

牧典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。小山病院(大阪市東住吉区)院長。