ガーナ戦で1ゴールを決めた富樫。トゥーロン国際でも結果を残せれば、メンバー入りが近づいてくる。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 手倉森誠監督率いるU-23日本代表が、フランスで行なわれるトゥーロン国際大会に挑む。この大会は、オーバーエイジ枠の派遣手続き締め切り(6月10日)前の最後の実戦となり、チーム強化やメンバー選考を進めつつ、「オーバーエイジがチームにとってプラスか、マイナスか、判断する」(岡田武史日本協会副会長)重要なテストの場だ。
 
 佐賀キャンプ最終日に行なわれたガーナ戦(5月11日)は、3-0で勝利を収めた。ただ、“仮想ナイジェリア”として臨んだ一戦は、アフリカ勢特有のバネの強さやリーチの違いは体感できた一方で、日本の選手たちの“想定”を超えるシチュエーションはなかった。相手が国内組の若手のみでメンバーを構成していたことやコンディション調整不足もあって、強烈なパワープレーや身体能力を活かした個の仕掛けなどが影を潜めていたからだ。実際に、岩波拓也は試合後、「(ガーナ戦で)課題は正直見えづらい」とこぼしている。

 トゥーロン国際大会で第一のテーマに掲げたいのが「決定力アップ」である。ガーナ戦では裏への抜け出しを得意とする浅野拓磨と富樫敬真が2トップを組み、ロングボールを使いながら「相手陣内でサッカーをやろう」(矢島)という明確な意図で試合に入った。

 狙いは奏功し、矢島が2得点、富樫が代表初得点を決めた。とはいえ、シュート18本を放ち、決定機は10回を数えたなかで、3点目を挙げた30分以降はノーゴールに終わり、“失速感”は否めない。
 
 たしかに、手倉森監督が求める「前に仕掛けていく姿勢」が見られる場面はあった。野津田岳人は長距離からでも果敢にシュートを狙い、浅野もスピードを武器にカウンターを発動。選手たちに「勝つためにゴールに向かわないといけない」という思いはかなり浸透している。
 
 ただ、ガーナの守備はサイドにスペースが空いていたように決して組織的ではなく、富樫の3点目も相手のミスから生まれたもの。24分の場面では浅野が単独でカウンターに持ち込むも決め切れず、33分には富樫も決定機を逃している。「もっともっと取れた」(浅野)のが実情である。
 
 トゥーロン国際大会で対峙する欧州各国は、ガーナより組織的かつ統制の取れた守備をしてくるはず。欧州組のMF南野拓実(ザルツブルク)が加わる分、攻撃のバリエーション増加を意識しながら、しっかりとチャンスを決めきりたい。攻撃陣がここで結果を残せなければ、FWや2列目はオーバーエイジ枠使用の有力候補に挙がるだろう。
 もうひとつの焦点が、組織的に攻撃を仕掛けてくる相手と対峙した際の「守備(攻守の切り替え)」である。ガーナ戦ではディフェンスライン、GK、ボランチを含めて距離感良く、コンパクトな陣形を築いていた。前線から積極的にプレッシャーをかけながら、中盤では橋本拳人が相手の攻撃の芽を摘み、最終ラインも植田直通、奈良、岩波の3人でロングボールを次々と撥ね返した。68分にエリア内でシュートを打たれた以外に、ピンチらしいピンチはなかった。
 
 ただし、終盤は徐々にカウンターを受けるようになり、ボランチ(矢島・井手口)で潰し切れず、自陣でプレーされる時間が増えた点は看過できない。ガーナよりも相手のレベルが上がり、より“ミスが許されない”状況となるトゥーロン国際大会に向けたテーマについて、岩波はこう語る。
 
「五輪は(ガーナのような)このレベルの相手ではないので、もう少し高いところを見てトレーニングをしていかないと。トゥーロンではまずはチームが勝つことが一番ですけど、そのなかでもラインコントロールだったり、相手に点を取らせない守備にこだわりたいですね。(トゥーロンは)U-23の選手だけで戦うので、そこで結果を出せば(オーバーエイジの)必要もなくなると思います」