『ズートピア』仕掛人の意外な経歴 〜現地レポート Part 5〜

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家のなかでの時間を充実させたい人のためのメディアとしておなじみのroomieですが、今回は番外編です。話題の新作映画『ズートピア』の魅力を探るべく、家を飛び出してカリフォルニアまで飛んだroomieと姉妹メディアのGLITTY。第4回目は、ズートピア制作スタッフの日本人エフェクトアーティストの成田裕明さんをインタビューしました。そして、最後に登場するのは、今作のプロデューサーを務めたクラーク・スペンサー氏です。

アメリカでは3月に公開され、3週連続で全米興行収入ランキングの首位を記録。ディズニー・アニメーション史上最高のヒットとなった今作の仕掛け人は、一体どんな人なのでしょうか?

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──スペンサーさんはどのような経緯でアニメーション映画のプロデューサーになったのですか?

シアトル郊外で育った僕は、祖父母が映画館を経営していたこともあって、幼い頃はいつも映画を観に行っていた。だから映画が大好きだったんだけど、大学卒業後はニューヨークのウォール街で金融関係の仕事をしていたんだ。なぜなら、みんながやっていたから。でも、金融に対する情熱はなくて、4年経った時、「仕事にやりがいはあるけど、大好きなわけじゃないな」と思ったんだ。

人は大好きなことをやっていれば、すごく上達する。でも、普通に好きなだけだと、毎日少しだけ苦労することになる。それで僕は「いつか映画をプロデュースする」と自分自身に言い聞かせ、エンターテインメント業界で働くためにロサンゼルスに引っ越して、ディズニーの財務部門で仕事を始めた。そこでは飛躍して、アニメーション部門と劇場用プロダクションのCFO(最高財務責任者)になったよ。ブロードウェイの「ライオンキング」や「美女と野獣」の仕事を担当して、それが自分のキャリアになるんだろうな、と思っていた。

ところがその後、フロリダ州オーランドでスタジオを経営しないかとオファーされたんだ。当時、彼らは『リロとスティッチ』という映画を作っていて、プロデューサーを必要としていた。そして、僕にその仕事をオファーしてくれた。1998年、ディズニーで8年間働いた後、「映画を製作しないか?」という電話をもらったわけだよ。そうやって僕はプロデューサーになったんだ。

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──スタジオを経営する立場として、作品をプロデュースする上で難しいことは?

プロデューサーは常にクリエイティブな面と、予算とスケジュールの間でバランスを取る必要があるんだ。僕の仕事は監督たちのビジョンをスクリーンに映し出すこと。とはいえ、映画は締め切りまでに完成させなければならない。だから、いつもプライオリティのバランスをいかに取るかを考えているんだ。全てをかなえることは不可能だからね。

プロデューサーの仕事は、監督たちに「OK、これくらいはできるよ」と伝えることなんだ。たとえば今作には、全部で64種類の動物が登場する。でも、もし監督たちが100種類の動物を登場させたいとしたら、それは難しいかもしれない。全てはどこでバランスを取るかなんだよ。限られた時間でどこまでたどり着けるか探ることが必要なんだ。

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──人間社会の縮図のようなストーリーが話題の『ズートピア』でも、主人公ジュディが警察官になるという夢のために行動しますね。

僕はプロデューサー以外の仕事をやりたいと思ったことは一度もない。この仕事ができて、最高に幸運だと思っている。僕がいつも伝えていることは、「自分の心に従いなさい。自分の情熱に従いなさい」ということなんだ。

たとえ道のりは楽ではなくても、夢は実現できる。もしも何か好きなことがあるのなら、それに向かって進むべきだ。がんばって実現するんだよ。なぜなら、君自身のエネルギーがそれを可能にしてくれるからだ。ただし、自分自身を信じないといけないよ。

https://www.youtube.com/watch?v=i20QSzELhWY

 
『ズートピア』

製作:クラーク・スペンサー
監督:バイロン・ハワード『塔の上のラプンツェル』/リッチ・ムーア『シュガー・ラッシュ』
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
©2016 Disney. All Rights Reserved.
大ヒット上映中

『ズートピア』 [ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン]

Clark Spencer photographed by Kaori Kikuchi
取材協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

 


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