1950年代後半から約60年にわたって宇宙開発を続けているアメリカ航空宇宙局・NASAでは、開発の中で得た技術に関する多くの特許を取得しています。その中にはすでに特許権が消滅してパブリックドメイン化したものもあるのですが、NASAのサイトではそのような特許技術を検索できるようになっています。

Public Domain

http://technology.nasa.gov/publicdomain



特許権が消滅した技術を検索するには、ページ中ごろにある検索窓にキーワードを入れるだけでOK。まずは「engine (エンジン)」と入力して「Search」をクリックして検索してみると……



78件の特許がヒットしました。その名称は「炭素繊維強化炭素複合材料を用いたピストンとシリンダー」や、「セグメント化されたイオン噴射装置」「中間部に閉鎖サイクルの熱交換器を備えた2段エキスパンダーサイクルロケットエンジン」など、エンジニアリングに興味がある人なら思わず盛り上がってしまいそうなものが並んでいます。



「炭素繊維強化炭素複合材料を用いたピストンとシリンダー」をクリックして開いてみると、「特許の概要」にあたる部分が記載されています。その内容は「カーボン素材で作られた複数のピストンと、それに組み合わされるカーボン素材で作られたシリンダーブロック、シリンダーチューブ、シリンダージャグを備えた改良されたレシプロ式内燃機関」というもの。下部にある数字の部分をクリックすると……



アメリカ特許商標庁が公開している特許情報のページが表示されました。このページは文字だらけなのですが、「Images」をクリックすると……



特許書類のPDFを見られるページが表示されました。

Patent Images



このページでは実際の書類の全文を読むことが可能。



「従来型のアルミ製ピストンと鋳鉄製ライナーを持つエンジン」(FIG.1)と「炭素複合素材ピストンと従来型のライナーを持つエンジン」(FIG.2)、「炭素複合素材のピストンとライナーを持つエンジン」(FIG.3)の違いなどが詳細に説明されていました。



このほかにも、「空気を取り入れるジェットエンジンを補助的に用いて打ち上げられる再利用可能なロケット」というものや……

Patent Images



1960年代に開発された「球形固体推進ロケットモーター」というものも見つかりました。これらは全て特許権が消滅した技術なので、実際に自分で作って使用・販売することが可能な技術ばかりです。

Patent Images



このページは、NASAが持つ技術を広く世に公開する取り組み「Technology Transfer Program」の一環として行われているもの。このページのように過去の特許技術を検索できるページが公開されているほか、特許権が有効である技術でも一定の条件を満たせば、無償で利用できるようにもなっています。ただし、最初の3年間は無償で使用できますが、利益が発生する段階になると発明者へのロイヤリティーと管理費の支払いが必要になるとのことです。

NASA Technology Transfer Portal (T2P)