14日、日本テレビ「Going! Sports&News」では「崖っぷち24歳 元日本代表の父が伝えた思い」と題し、サッカー解説者・都並敏史氏がJ3・AC長野パルセイロに所属する息子・優太のもとを訪れた様子を放送した。

「アイドルじゃないけど、ちょっとカッコいい存在。親父であり一人の目標。(父の)このプレー、自分もできたらなとか」。

元日本代表の父について、こう語った優太だが、「親が親だから、そのポジションやってみろみたいな。2世の宿命じゃないけど少し嫌悪感というか。親父に認められたいですよね、プレーヤーとして。”お前いい選手になったな”って言わせてみたい。その反骨心みたいなのが常にある」といった日本を代表する左サイドバックだった父を持つがゆえのジレンマも。

そんな優太は、2007年に15歳でU-16日本代表に入ると、関西大学を経て昨年長野とプロ契約を結ぶも、三浦文丈氏が新監督に就任するや、今季の出場はない。

Jリーグの平均引退年齢といわれる25歳を目前にケガも抱え、焦りをうかがわせる息子に対し、都並氏は「やっぱりプロでさ、新しい監督が来たら人(選手)を連れてくるわけで。自分はそこにいないかもっていうところから入っていくとコンディションでもプラスアルファを持っていけたかもしれないじゃん」と諭し始めた。

だが、すでに優太に対し助言を伝えていた都並氏は「お前にオフの過ごし方を電話で喋ったじゃん。お前が”わかってる、いいよ”って言った。ただの親父だったら文句言ってもいいけど、俺は業界の先輩でオフの過ごし方を気にして喋ってやってるのに”わかってる、いいよ”ってふざけんなよって。そこが俺はやっぱり経験が足りないと思うわけ」と、父としてサッカー選手の先輩として、息子に抱いたもどかしさを伝えた。

そんな父の言葉に「結果的にこうなってるし、すごい甘かったなとは感じる」という優太に、都並氏は自身の現役時代に先輩・ラモス瑠偉氏から叩き込まれたプロ意識についても語り始めた。

「ラモスさんに言われると絶対口ごたえできないけど、今年(当時)の目標はラモスさんに言われても普通にやれるようにしようぜって。結局5年かかったけど”うっせーな、ラモス”って言えるようになった時に本当に強くなった」と話すと、「責任を持ってプレーできるようになったのはラモスさんの厳しさのおかげ」としみじみ。

さらに「"大丈夫か?来年契約"くらいまでは考える」という都並氏に対し、「それは口には出さないけどすごい思ってる。今年クビを切られるかもしれないとか」と優太は不安を吐露。それでも都並氏は「グラウンドに一歩入ったら全ての責任を背負って、とにかく戦う。最高にひたむきなプレーをプロはお客さんのためにまずしていかなければいけない。そこは絶対忘れないでほしい」と息子を叱咤激励し、優太もまた「目標は30歳までにJ1の選手になりたい」と意気込んだ。