フリークアウト本田CEOのユニークなタイムマネジメント術

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プロの作曲家、ロボット開発、バイオの研究など異色の経歴を経て、IT業界のシリアルアントレプレナーへ転身したフリークアウトの本田謙社長。そのユニークな時間の考え方に迫る。

-社長業という仕事柄、タイムマネジメントで意識していることはありますか。

まず、家は会社から徒歩10分圏内にして、通勤に時間を使わないようにしています。以前の住まいからは六本木の会社まで坂を上り下りしなくてはいけなかったので、平坦な道で通える今の家へと引っ越しました。「席に着いてすぐに仕事モードになれるか?」というのが、僕の基準ですね。あとはランチも摂らない。食べると午後の集中力に欠けるので、食事は夜1食で済ませています。

-ストイックに徹底されているんですね。

1日の活動時間を「就業時間」「会食」「帰宅後の自分ひとりの時間」と3つのフレームに分けて、それぞれ効率良く集中できるように考えているんです。ただ、フレーム内の行動については、時間も場所も臨機応変に対応しています。たとえば会食は可能なら1日2回、20〜22時でおひとりと会食し、その後0時まで別の会食に合流するとかして、なるべく多くの人に会うよう心がけています。

帰宅から3時までは、インプットの時間ですね。たいがいは好きなレコードを聴きながらパソコンや本を開いて、学ぶ時間にあてています。弊社では優秀なエンジニアが技術的に高度なことに日々チャレンジしているので、僕自身が彼らのやっていることを理解できないといけない。

また彼らに会社の方向性がチャレンジングでおもしろいと常に思ってもらえるように、次なる経営方針やテーマを見つけることも肝心です。そのためにはひとりきりで学んだり考えたりする時間が必要なのです。

-なるほど。あと、経営者の方は早寝早起きが多いですが、本田社長は3時就寝、9時起床というのがおもしろいですね。

自分の性格を把握して、どうしたら時間を有効に使えるかを考え抜いた結果なんです。必ずしも朝型でなくても、活路は開けるんだという視点で見てくれたら!(笑)

-そんなユニークなタイムマネジメント術が社員にも還元されているとか。

社員の皆さんがふたり以上でランチをするときは、それをミーディングとみなして、全額負担をしています。人がふたりいれば、アイデアや解決策が生まれてくるものなので、そこをフォローアップしたいと思って。もうひとつが「ゼロ駅ルール」といって、会社の近くに住んで徒歩で通勤する社員には、月に5万円まで補助しています。

-現在のフリークアウトは起業2社目ですが、前社との違いは何かありますか?

自己実現に近くなってきましたね。最初の会社は金銭的な面も含めて成功したいという気持ちが強かった。結果的にヤフーにM&Aで買収されて成功を収めたわけですが、もう一度「広告業界で技術力を武器にして何かをやってのける」ことを考えたときに、”最初に起業したときよりも5年経った今のほうがよりインパクトを与えられる!”という認識があったんです。それでスタートしました。

今は「ニューヨークやシリコンバレーから来るプレイヤーよりも、日本のほうがおもしろいものをつくれる」という自分の考えを証明したいという気持ちが強いです。グローバルでこうなると思われている未来と、少し違う未来をつくりたい。それこそが起業家資質なのではないかと僕は思います。

ほんだ・ゆずる◎1974年、千葉県 生まれ。2005年、コンテンツマッチ広告事業に特化したブレイナー社を創業。08年、同社をヤフーに売却するとともに、ヤフーにて開発部長を務める。10年、フリークアウトを設立、14年6月に東証マザーズに上場。