14日(土)から始まるオリンピック世界最終予選に臨む全日本女子チーム。最年少でありながら、チームのカギを握るのが古賀紗理那だ。180cmの長身ながらレセプション(サーブレシーブ)もこなし、サーブやスパイクの成績もチームの中で上位。ポスト木村沙織の最有力候補と言えるだろう。

 古賀は母親の影響で小学2年生のときにバレーボールを始め、中学生になると、その名前は全国区に。JOCジュニアオリンピックカップに出場し、オリンピック有望選手に選ばれた。高校は地元の熊本信愛女学院に進学。全国制覇は結局ならなかったが、チームを牽引し、インターハイや春高で上位進出を果たした。

 さらに2013年にはシニア全日本に初選出。翌年には2020年東京オリンピックの強化指定選手「Team CORE」に選ばれるなど、常に将来を嘱望されていた。

 ただ、ケガなどもあり、本格的に全日本として活動を始めたのは昨年のワールドグランプリ。そこでレギュラーをつかむと、8月に行なわれたワールドカップ2015では、ベストスコアラーランキング5位、ベストサーバーランキング4位、ベストレシーバーランキングではトップと、尊敬する選手である木村沙織よりすべての数値で上回り、全日本に欠かせない存在となった。

 オリンピック世界最終予選(OQT)を直前に控えた古賀の心境を聞いてみると、「普通ですよ」と穏やかに微笑む。古賀の地元は熊本。地震は練習後にデータを確認しているときに知った。すぐに実家や友人に連絡を取り、無事を知って胸をなで下ろした。しかし、大きく崩れ落ちた熊本城は通っていた熊本信愛のすぐ近く。熊本信愛では2つある体育館のひとつが使えなくなる被害を受け、3週間の休校を余儀なくされた。

「知っている場所が崩れてしまって、すごく心配だったし、今でもすごく大変な思いをされている方も多いので、早く元通りの生活が送れたらいいなと思っています。私が今できることは、被災された皆さんにバレーボールで元気を届けることだと思っているので、しっかりバレーボールで頑張ってる姿を見せたいです」

 被災した故郷を気遣う一方、練習は練習でメリハリをつけながらも「自分が安全にバレーボールをできる環境にいることに、とても感謝しています」という古賀。OQTにかける思いを一言で、というリクエストに「掴み取る」という力強い答えが返ってきた。「熊本の皆さんのためにも、絶対にリオ五輪の出場権を掴み取りたい」。

 本格的に全日本で活動するのは2年目になるが、「去年は初めてのことをいろいろ経験させてもらって、世界の高さにも慣れたし、新しい発見もたくさんありました。スパイクひとつとっても、国内と違って甘いコースでは決まらないとか、高いところからのサーブは、手元に来るときに揺れるとか。今年は2年目になるので、去年の経験を活かしたい。責任も去年よりあると自覚しながらやっています」

 2015/16シーズンのV・プレミアリーグでは最優秀新人賞も受賞した。その勢いのまま、OQTでも力を発揮して欲しいし、彼女の活躍なしでは五輪の出場権獲得は厳しいものになる。

「年齢はチームで一番下ですが、試合になったらそんなことは関係ありません。強い気持ちを持って臨みたい」

 力強い決意を示した古賀。故郷の熊本に元気を届けてくれるだろう。

 OQTは14日、東京体育館で開幕し、日本はペルーと対戦する。勢いをつけるためにも好スタートを期待したい。

中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari