三菱自動車の燃費データ改ざんが公表された4月20日以降、被害者の立場で沈黙を続けていた日産が5月12日に三菱自動車との資本業務提携を発表。同社を事実上、傘下に収めるという話題が注目を集めています。

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日産と三菱自動車は同日、アライアンスに関する覚書を締結したと発表。三菱自動車の発行済み株式34%を日産が2,370億円で取得することになるそうです。

日産が三菱自動車の買収に動いた背景には、三菱自動車がタイなどに生産拠点を置いて主力市場としている東南アジアでの販売シェア拡大に繋げたいとの狙いがあるものとみられます。

三菱自動車は11日の記者会見でその後の不正全容解明に向けた状況を発表しましたが、燃費テストの委託先が100%子会社のMAE(三菱自動車エンジニアリング)であることを明かした程度で、「依然、社内で聞き取り調査中」の報告に終始。

振り返れば三菱自動車の燃費不正発覚の発端となったのは、当時合弁会社「NMKV」を中心に共同開発を行っていた日産からの指摘によるものでした。

日産は三菱自動車への損害賠償などについて、不正の全容が明らかになるまで静観するとしていましたが、その一方で4月の「デイズ」販売台数が前年同月比で約7割減となっています。

三菱自動車も今回は三菱グループの情勢や倫理上の観点から、救済が期待できない状況にあり、日産の要求を受け入れざるを得なかったと推測されます。

ではなぜ、日産は燃費不正の全容が明らかになっていない現段階で三菱自動車の買収に動いたのでしょうか。

それが外資比率の高い企業特有の手法だとすれば、わかりやすいのかもしれません。

以前に日産がNMKVで開発した軽自動車の自社生産を匂わせたことから、これに三菱自動車が抵抗、ひと悶着有った件が買収の引き金になっているとすればどうでしょうか。

あくまで推測ですが、全ては事の発端から日産側のシナリオどおりに進んでおり、三菱自動車が記者会見で燃費不正の事実を認めた段階で、迅速かつ比較的安価に同社を傘下に収めることで、海外を含む他企業からの三菱自動車買収を未然に防ぐ狙いが有ったのかもしれません。

今回の資本業務提携で、日産、ルノー、三菱自動車を合わせた世界販売台数は950万台を超える規模となり、首位のトヨタやフォルクスワーゲンなどに迫ることになります。

それが目的だったとすれば4月20日以降、日産の三菱自動車買収戦略にマスコミを含め踊らされていたことにもなりかねず、真相がどうなのかが大いに気になるところです。

Avanti Yasunori

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