12日、米国の現代政治に詳しい渡辺靖慶応大教授が日本記者クラブで会見し、「米国は既成の政治家に対し怒りを抱いている」と指摘。アウトサイダー的なトランプ候補はプアホワイト(貧困黒人層)を中心に大きな支持を得ており勢いが継続する、と強調した。

写真拡大

2016年5月12日、米国の現代政治に詳しい渡辺靖慶応大教授が日本記者クラブで会見し、「米国では政治に対する国民の信頼感が大幅に後退、既成の政治家に対し怒りを抱いている」と指摘。アウトサイダー的なトランプ大統領候補はプアホワイトを中心に大きな支持を得ており勢いが継続すると強調した。

またトランプ氏について、(1)巨万の富を保有しており、利益団体の影響を受けない、(2)テレビ番組の司会者だったので話題をつくるのがうまく、トランプがテレビ画面上で話題にならない日はない、(3)米国民は強いリーダーを求めている―などの理由から、本選でも有利になり得るという。

また渡辺教授は、最近米国民の間で中央政治に対する「不安と不信」が高まっていると指摘。最近の世論調査によると、正しい方向に向かっていると見る人は25%にすぎず、かつて2000年代の50%から半減した。ワシントンの政治を「信頼している」が、20%と1960年代の78%から激減。中産階級のウエイトが縮小し、格差が急速に拡大している。国民の多くはワシントンの既成の政治家に対し怒りを抱いているという。このため有権者は「トランプのメッセージに共鳴、ブームは今回限りではなくしばらく続く」と見る。

またトランプ氏が大統領になれば、安全保障など対日政策は激変し、TPP(環太平洋連携協定)は白紙となる可能性が大きいと予想する。民主党ヒラリー・クリントン候補も「反対」に転じており、いずれにせよ、TPPは大幅な後退となるのは必至で、白紙に戻される確率が高いという。(八牧浩行)