『Cafe Society』を製作した「Amazon」のロゴがカンヌのスクリーンを飾った

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5月11日(現地時間)、第69回カンヌ国際映画祭が開幕した。オープニング上映作はウディ・アレン監督、ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワート主演の『Cafe Society』(原題)だ。実は本作の製作はアマゾン・スタジオ。カンヌの長い歴史で初めて、「Amazon」のロゴがスクリーンを飾った。

レッド・カーペットでは、昨年からフランス、ベルギーでテロ事件が発生していることもあって厳重な警戒が敷かれ、入場開始直前まで機関銃を構えた警官隊や兵士たちがクロワゼット大通りをパトロールする物々しさ。天候もあいにくの雨模様だったが、入場はつつがなく進行し、オープニング・セレモニーから映画祭はスタートした。

11日午後(現地時間)に行われた記者会見でアレン監督は、新作をコンペティション部門に出品しなかった理由を問われて「どんなグループであれ、みんなで他人の作品を評価するなんて、私なら絶対しないことだ」と答えた。その後に行われたコンペ部門審査員たちの記者会見で、審査員長のジョージ・ミラー監督(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)はアレン監督の発言について理解を示しつつ、「新作映画をじっくりと見て、それについて話し合うためにここにいることは単純にうれしい。映画キャンプのような感じだ」と語った。

コンペティション部門には21本が出品され、映画祭の常連監督の新作が揃う。

注目は、一昨年(第67回)、『Mommy/マミー』で審査委員特別賞を25歳で受賞したグザヴィエ・ドラン監督の『Juste la fin du monde』(原題)。ジャン・リュック・ラガルスの戯曲の映画化で、12年間の失踪後、故郷に戻った作家の物語。マリオン・コティヤール、ギャスパー・ウリエル、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセルが出演する。コティヤールは『ヴァンドーム広場』などを手がける監督で女優のニコール・ガルシアの『Mal de pierres』(原題)でも主演を務めている。

オープニング上映作『Cafe Society』に加えて、クリステン・スチュワートは前作『アクトレス〜女たちの舞台〜』でも組んだオリヴィエ・アサイヤス監督の『Personal Shopper』(原題)にも主演。ジム・ジャームッシュ監督が『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のアダム・ドライバーを主演に起用した『Paterson』(原題)、『ドライヴ』で監督賞(第64回)を受賞したニコラス・ウィンディング・レフン監督はエル・ファニング、キアヌ・リーヴスらが出演する『The Neon Demon』(原題)、ペドロ・アルモドバル監督(『Julieta』原題)、ケン・ローチ監督(『I, Daniel Blake』原題)、これまで5作品がカンヌの主要部門で受賞しているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の『La fille inconnue』(原題)には常連俳優のジェレミー・レニエが出演。個性派ファブリス・ルキーニとジュリエット・ビノシュが共演するブリュノ・デュモン監督の『Ma loute』(原題)、ジェフ・ニコルズ監督はマイケル・シャノンとジョエル・エドガートン主演の『Loving』(原題)を出品した。

『オールド・ボーイ』でグランプリ(第57回)、『渇き』で審査員賞(第62回)を受賞した韓国のパク・チャヌク監督は、サラ・ウォーターズ原作の「荊の城」の舞台を韓国に置き換えた『The Handmaiden』(英題)を出品。今年はアジアの監督作品はこの他にフィリピンのブリランテ・メンドーサ監督の『Ma’ Rosa』(原題)だけと少なく、アジア映画の存在感を示すことに期待がかかる。

ルーマニアからは『4ヶ月、3週と2日』で第60回にパルムドール、第65回に『汚れなき祈り』で脚本賞を受賞したクリスティアン・ムンジウ監督の『Bakalaureat』(原題)、ルーマニアからはクリスティ・プイウ監督の『Sieranevada』(原題)も出品。第84回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したイランの『別離』のアスガー・ファルハディ監督の『The Salesman』(原題)、ポール・ヴァーホーヴェン監督がイザベル・ユペールと組んだ『Elle』(原題)、そしてショーン・ペンが2014年の撮影当時に交際していたシャーリーズ・セロンを主演に起用した『The Last Face』(原題)も話題を集めている。