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●VDI構築で留意するポイント
ITのディストリビュータであるネットワールドは4月22日、夜セミナー「VDI de ドリームナイト!<Tintri編>」を都内で開催した。テーマは「VDIガチ検証!仮想化専用ストレージの実力やいかに!?」だ。

このセミナーでは、同社がTintri VMstore T820ハイブリッドモデルとNetAppのFAS2520という2つのストレージを組み合わせて、400人のVDI環境をつくり、実際の運用に耐えられるかどうかを検証するというもの。セミナーの前半では、VDI環境を構築する上の留意点も解説された。

○老舗ベンダーと新興ベンダーの特徴

同社はこれまで2003年のEMCを皮切りに、2008年にNetApp、2015年にTintri、IBMなど、各ストレージベンダーと代理店契約を締結。そして、2016年にはPure StorageやNimbleStorageとも新たに代理店契約を結び、多くのストレージベンダー製品を取り扱っている。

セミナー講師を務めたネットワールド ストラテジックプロダクツ営業部 塚田真一郎氏は、これらストレージベンダーを、EMC、NetApp、IBMという老舗のベンダーと、Tintri、Pure Storage、Nimble Storageという新興のストレージベンダーに分類。 

「老舗ベンダーはユニファイドストレージという形で、ブロックもファイルも、どんなプロトコルもしゃべれる汎用的なストレージであるのに対し、新興ベンダーは特化型ストレージで、TintriはNFSやCIFSのファイルストレージ、Pure Storage、Nimble Storageはブロックアクセスのストレージとなります」と説明した。

同氏は新興ベンダーのストレージについて、Tintriは仮想化環境のデータストア用として、Pure Storage、Nimble Storageはデータストアとしても物理サーバマウントしても利用できると説明。また、新興ベンダーは、インライン圧縮や重複排除などを活用し、SSDをどうしたら活用できるかを考えているのが特徴だと解説した。

○2つのVDIの実装方式

今回のセミナーはVDIに関するものだが、VDIの実装方式としては、ユーザーごとに仮想デスクトップを用意し、通常のPC環境を丸ごと仮想化した「Full Clone」と、マスターとなる仮想デスクトップから複数ユーザーを展開する「Linked Clone」がある。

塚田氏によれば、「Full Clone」は互換性が高く使えるアプリが多いが、個別の管理となるため、パッチ等も個別に当てる必要があり、集中管理には向かないという。一方、「Linked Clone」は、マスターと各ユーザーの差分で管理する方式のため集中管理はしやすいが互換性で課題があり、アプリによっては一部動作しないという特徴があるという。

また塚田氏は、それぞれの方式でプロファイルの持ち方が変わり、ストレージの負荷が大きく変わると指摘した。ユーザープロファイルとは、デスクトップの背景、スクリーン セーバー、ポインタ、サウンドなどの設定の集まりで、このデータを利用して、VDIのログイン処理が行われる。

ユーザープロファイルには、プロファイルをローカルPC上に置く「ローカル ユーザー プロファイル」と、サーバ上に保存する「移動ユーザー プロファイル」がある。「ローカル ユーザー プロファイル」はRead処理中心で低負荷だが、「移動ユーザー プロファイル」は、Write処理中心で高負荷になる一方、「ローカル ユーザー プロファイル」はバックアップ処理が複雑になるのに比べ、「移動ユーザー プロファイル」は、ツール等で容易にバックアップができるという特徴があるという。

「Full Clone」は、両方のプロファイル方式が使えるが、「Linked Clone」は「移動ユーザー プロファイル」しか利用できないため、用途に応じて使い分ける必要があるという。塚田氏によれば、「ローカル ユーザー プロファイル」はパフォーママンス重視、「移動ユーザー プロファイル」はデータ保護重視の方式だという。 1

そして同氏は、一時ファイルを常に削除するなど、「ユーザー プロファイル」をいかに小さくするのかが、VDI運用の肝だと説明した。

●ログインストームとワークロードの2つを検証
今回のVDI環境の検証では、1秒おきに400人が連続してログインすることによるログインストームの検証と、400クライアントがメール、IE、Excel、Wordなどの複数のアプリを次々に1時間実行するという日常のワークロードの2つを、ツールを使って擬似的に検証している。

検証環境は、サーバとしてCisco UCS C220 M3×10台(うち3台は検証ツール用で残り7台がVDI用)、スイッチとしてQuanta T3040-LY3(10G対応)×1、データストア(VM構成ファイル)としてTintri VMstore T820ハイブリッドモデル×1、プロファイル用のファイルサーバとしてNetAppのFAS2520×1を利用している。

○ログインストームの検証

ログインストームの検証では、ユーザープロファイルサイズがDefalt(5MB)、20MB、50MB、100MBの4パターンで行われている。以下が実際の検証結果だ。検証結果は、Tintriのストレージに標準で搭載されている状態表示の画面キャプチャとログインに要した秒数の分布で判断している。

なお、今回紹介するデータは、あくまでネットワールドのテスト環境における検証結果であり、数値を保証するものではないことをご了承いただきたい。

ユーザープロファイルがDefalt(5MB)×400人(計2GB)の場合
ユーザープロファイルがDefalt(20MB)×400人(計8GB)の場合
ユーザープロファイルがDefalt(50MB)×400人(計20GB)の場合
ユーザープロファイルがDefalt(100MB)×400人(計40GB)の場合
ログインストームの検証のまとめ
この結果を踏まえ、ネットワールド ストレージ基盤技術部 重原智幸氏は、「各数字はユーザープロファイルサイズによって上昇しているが、平均ログイン時間はほとんと変化しておらず、VDI環境のサービスレベルとしては十分だ」と結論づけた。また、ユーザープロファイルのサイズは徐々に増えていくため、1年後や2年後を想定して最大値を計算すべきとアドバイスした。

○ワークロードの検証

一方のワークロードの検証では、400クライアントがメール、IE、Excel、Wordなどの複数のアプリを次々に1時間実行。最も負荷のかかった仮想デスクトップのレイテンシの数字をもとに検証した。その結果、もっともパフォーマンスが悪いユーザーのVMでも、レイテンシが2.2msで問題ないレベルだったという。

○今後、Tintriストレージが進化

なお、このセミナーでは、現在、2TBモデル SSDを採用しているTintritoriのオールフラッシュストレージ(T5000シリーズ)において、今後、4TB/16TBモデルのSSDを採用することで、大容量化が図られる予定だというアナウンスがあった。

また、オールフラッシュ(T5000シリーズ)とハイブリッド(T820)で1つのストレージプールを作り、パフォーマンスが必要な場合はオールフラッシュに、効率化を重視する場合はハイブリッドに書き込むという機能も実装される予定だという。

(丸山篤)