Photo by Toffee Maky

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 不倫報道で活動を自粛していたタレントのベッキー(32)が、復帰に向けて水面下で活動していた矢先、5月9日に不倫相手であるロックバンド・ゲスの極み乙女。の川谷絵音(27)が離婚を発表した。これらを受け、謝罪が完了したから復帰、離婚成立で復帰などという"謎ルール"の適用が各所で報じられ、多くの人々が声を荒げている。

ベッキー復帰に垣間見える芸能界の村意識

 不倫発覚から早4ヶ月で復帰に向けて動いていたベッキー。復帰に向けた活動と川谷の離婚がダブルで報じられ、再び身辺が荒れてきた。

 とくに視聴者の怒りや戸惑いを買っているのが、各種メディアを介して漏れ聞こえる「元妻に謝罪したから復帰」「川谷が離婚したから復帰」などという謎ルール。今だ関係者内外の情報が錯綜していることは否めないものの、ベッキーは社会的制裁をすでに十分に受け、直接の関係者に筋を通したからOKという理屈だ。しかし、これがとんと世の支持を得られない。

「真実が公に何も明らかでない以上、視聴者にとっていわば未解決の騒動です。また、一人の人間として川谷さんの元妻に謝罪することと、芸能タレントとしてお客様だった視聴者やファン、スポンサーに謝罪・対応するのは別次元の話です。ねじれた理屈を押し通そうとするから世の反感を食らうのではないでしょうか。それなのに早く復帰までこぎつけようとするあたり、『早く稼がせたい』という所属事務所の焦りすら感じさせます」(報道関係者)

 それでも、ベッキーがすでに『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)に秘密裏に出演したことは公然の秘密。会見は開かず、タイミングを見て同収録を放送し、全国に謝罪の涙をさらして"これで禊は済ませた"とする可能性も高い。巷でも「出来レース」などと非難する声が多い。ベッキーに対して冷たい世間と優しい芸能界の間に、意識の隔たりも感じさせる。

「日本の芸能界は今、いわゆる村意識が強いのかもしれません。村に一度溶け込めば優遇され、一時的に離れても本人が『戻りたい』と意志を示せば手厚く歓迎される。村の外の人間が見れば分からない理屈も、村のルールで全てが収まる。権力を盾にムチャな論理を振りかざす政治家の答弁に似ています。公共の電波を使ってこれがまかり通るんですから、視聴者からしたら参りますね。いくら中居正広さん(43)の親切心とはいえ、テレビ番組で一方的に説明するのではなく、先に、オリエンタルラジオの中田敦彦さん(33)が言うように会見を開いたほうが筋は通っています。"センテンススプリング"発言も含めて全てを説明・謝罪して、やっとファンとの新しい関係が始まるはずです」(前出・関係者)

 仮に、ベッキーがこのまま平然と元の現場に戻って活動を再開しても、CM出演などで炎上した矢口真里(33)の二の舞いになるのは火を見るよりも明らか。あるいは矢口以上に炎上するかもしれない。

「最近、インターネットテレビ局の『AbemaTV』がにわかに人気を集めています。9日深夜に同局で放送されたセクシー系バラエティの『妄想マンデー』は20万人以上の視聴者数を記録しました。深夜放送ですし、バカにできない数字です。グダグダな進行、バカバカしい企画も目立ちますが、20年前の地上波バラエティに感じた自由な空気を感じます。局全体で視聴者数はもっと増えるかもしれません。小林幸子さん(62)が2年近くかけてニコニコ動画で若者の支持を得たように、ベッキーさんもAbemaで『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のようなハードな企画にトライして、そこで市民権を得てから地上波に復帰するのも一つの手。Abemaにはみのもんたさん(71)や井上公造さん(59)も出演していますから、彼らに代わる代わる10時間くらいぶっ通しで尋問を受けて洗いざらい吐くのも手です。こうした禊を繰り返せば、視聴者も鬼や悪魔じゃないんですから、さすがに許してくれるでしょう」(前出・関係者)

 再復帰して10年、20年と活躍することを目指すなら、目先の数年なんて短いもの。失った信用を取り戻すべく、お客様たるファン・視聴者と誠意をもって向き合ってみてはいかがだろうか。小林幸子のように新境地を開くきっかけになるかもしれない。

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。