レイバン、アマゾンとパブストに学ぶ企業の自己改革

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競争が激しさを増す現代のビジネス環境においては、競合他社が時代と共に変化しているなか、何もしないという選択肢はもはや許されない。企業が市場の変化に対応できなかった結果、廃業を余儀なくされた例は無数にある。

急速なペースで変化を続ける世界経済の中で、意義ある存在であり続けるには、”自己改革”を行うしか道はない。それを上手く成し遂げた多くの企業のうち、私のお気に入りの3社を紹介しよう。

レイバン

もともとはボシュロムが米軍の兵士たちのためにつくったレイバンのサングラスは、ジョン・F・ケネディ元大統領からトム・クルーズに至るまでのあらゆる人が着用してきた。だが90年代になると、オークリーをはじめとする競合他社との競争激化や品質のまずさが原因で、ブランドは苦境に陥る。最終的に同ブランドは、99年に6億4,000万ドル(約688.5億円)でイタリアのアイウェア企業ルックスオティカに売却された。

その後、レイバンブランドは美しく自己改革を遂げた。ルックスオティカは1年間、販売を中止してブランドの再活性化を行ったのだ。たとえばウェイファーラー・シリーズのサングラスの場合、99年にはドラッグストアやガソリンスタンドで1つ29ドル(約3,120円)で買うことができたが、今では150ドル(約1万6,100円)以上する。

教訓:前進するためには、後退しなければならないこともある。

アマゾン

まだ成功しているうちに自己改革を行った、素晴らしい例がアマゾンだ。オンライン書店としてスタートした同社は、今や世界最大の小売業者であり、ウェブホスティング・サービス会社、コンテンツ制作会社、そして流通会社でもある。

では彼らはいかにして、それを達成したのか?

同社のジェフ・ベゾスCEOはこう語っている。「アマゾンの定義は、顧客を中心にあらゆることを、発明を行っていく企業だと考えている。私たちは道を切り開いていくのが好きで、未知の領域を探検するのが好きだ。暗い路地の先に何があるのかを見るのが好きだ」

教訓:自己改革に着手するのは、必ずしも業績が下向いてからでなくていい。継続的に進化を遂げるのが最善の策だ。

パブスト

パブストビールは70年代に大人気を博したものの、80年代と90年代には人気が低迷し、ミルウォーキーにあった醸造所は閉鎖に追い込まれた。だが2009年頃に驚きの現象が起こる。流行に敏感な人々が、パブストビールを好んで飲むようになったのだ。09年には売上が前年比20.3%増に急増し、その後も数年間、着実に増加した。13年までには、米国で消費されるパブストビールは年間9,000万ガロン以上と、04年から200%近く増加した。

これを達成した要因としてまず挙げられるのは”幸運だった”こと。ミレニアル世代は、パブストの歴史やブルーカラー(肉体労働者)向けというイメージ、そして低価格に魅力を感じた。

だがそれだけではない。パブストはマーケティング戦略にも重点を置き、広告については以前よりも系統的なアプローチをとった。テレビやラジオなどの広告に大金を投じる代わりに、バイクメッセンジャーのロデオやDJといった”クールな”イベントのスポンサーになったのだ。酒類業界の従来の販売戦術にうんざりしつつあったミレニアル世代に、このやり方は大きく響いた。

教訓:”イカした”ブランドになるべく自己改革を行うには、マーケティング戦略で従来とは異なるアプローチをとる必要がある。運も邪魔にはならない。

これらの例から読み取れるメッセージは明白だ。大事なのは顧客の声に耳を傾け続け、決して進化をやめず、将来に目を向けること。どんなビジネスでも変化は避けられないものだからだ。

覚えておこう。打ち寄せる波を止めることはできない。だがその波に乗ることを学ぶことはできるのだ。