ロングボールをことごとく撥ね返し、無失点勝利に貢献。植田の闘志溢れるプレーは、故郷・熊本のファン・サポーターを勇気付けたはずだ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

「九州 熊本震災復興支援チャリティマッチ がんばるばい熊本」と銘打たれたガーナ戦を、誰よりも強い気持ちで戦っていたのが、この男だったのではないだろうか。
 
 最終ラインで身体を張り、3-0の快勝劇に貢献した植田直通。熊本出身の屈強なCBは、ミックスゾーンに現れるや、こう語った。
 
「(今日の試合を)熊本のみなさんも見てくれていると思いますし、僕が熊本県民を代表してお礼を言いたいと思います」
 
 手倉森監督からキャプテンマークを託され、「こういう機会はあまりないですけど、チャリティマッチでみんなが熊本のために戦ってくれているなかで、熊本県民は僕だけしかいなかったですし、まずは僕が戦う姿勢を見せないといけないと思っていました」と闘志を前面に押し出したプレーで守備陣を統率。“仮想ナイジェリア”のガーナを完全に抑え切った。
 
 震災に見舞われた故郷に勝利を届けたい――。その願いを叶えた植田は、「僕の家族や知り合いも(会場に)来ていましたし、そういう久しぶりに会った人もいて、顔を見て凄い安心したというか、今日勝利という結果を届けられたのは凄い良かったと思います」と喜びを口にした。
 
 ただし、試合内容について問われると、表情はキリッと引き締まる。
 
「ゼロ(無失点)に抑えられたのはDFとして良かったですが、前半のあの勢いを後半にも続けていかないといけなかった。課題も少し残ったので、そこは次に活かせればなと思います」
 
 植田がそう振り返るように、3点を挙げて圧倒した前半とは対照的に、後半は無得点とチームのパフォーマンスは停滞した。ガーナ代表が思っていたよりも力が落ちる相手だったこともあり、植田に達成感は微塵もなかったようだ。
 
「いろんなことやってくるのかなと楽しみな部分はありましたけど、(リオ五輪で対戦する)ナイジェリアとかはもっともっとレベルが高いと思うし、今日の試合だったらもっとできないといけない」
 
 この日のガーナは、リオ五輪で対戦するナイジェリアやコロンビア、スウェーデンより、一枚も二枚も落ちる相手だろう。そんな相手との対戦で課題が見えた自分たちに対して、合格点を与えられなかったのだ。

『まだまだ、このレベルでは満足できない』
 
 ミックスゾーンを去っていく植田の背中は、そう語っているようだった。

九州・熊本震災復興支援チャリティーマッチ U23日本代表3-0ガーナ代表@鳥栖