“キャプテン”植田が伝えた「熊本のためにありがとう」

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[5.11 MS&AD杯2016 U-23日本代表 3-0 ガーナ代表 ベアスタ]

 誰よりも戦う姿勢を示そうとしていた。熊本県宇土市出身のU-23日本代表DF植田直通(鹿島)は、被災した地元への思いを胸にガーナ戦のピッチに立った。

 試合前日の取材対応で、「僕自身は戦う姿勢を絶対に見せないといけない。戦う姿勢を見せて初めて結果がついてくるものだし、結果にプラスして元気を与えられればと思う。応援してくれる方たちのためにも頑張りたい」と意気込みを示していたように、ピッチ上で奮闘する。ガーナが放り込んでくるロングボールをはね返し続け、地上戦を挑んでくる相手には粘り強く対応してゴール前への侵入を許さない。

 後半35分には相手選手と接触して右まぶたを切って流血するが、一度ピッチの外に出てテーピングを巻くと、再びピッチに戻って最後までゴールを守り抜く。気持ちの入る試合となったが、「ハートは熱く、頭はクールに。あまり熱くなり過ぎても良いプレーはできないので、そこは冷静に」と熱い気持ちを持ちつつ、落ち着いたプレーを披露して3-0の完封勝利へと導いた。

「チャリティーマッチで皆が熊本のために戦ってくれる中で、熊本県民の僕が戦う姿勢を見せないといけないと思っていた。家族や知り合いもスタジアムに来ていたので、勝利という結果を届けられたのは良かった」

 この試合、キャプテンマークは植田の腕に巻かれていた。手倉森誠監督は「今日に関しては本当にリーダーになってもらわないと困るということで託した」と理由を明かすと、「試合後に彼が『熊本のためにありがとう』と締めてくれた。本当に良いリーダーシップを発揮してくれた」とチームのため、そして熊本のために戦う姿勢を示した“キャプテン”を称賛した。

(取材・文 折戸岳彦)


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